ep.71 ページ23
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次の朝、Aはジニーに引っ張られて早くからゴブレットが置かれているという部屋にいた。
部屋には同じような生徒が何組もいて、そわそわと誰が入ってくるかを見守っている。
「朝から元気ね……」
「誰が入れるか気にならないの？」
「あんまり…そもそもこんな早くから入れる人がいるのかしら？」
「みんな一番に入れたいに決まってるわ！ほら見て」
ジニーが指さした先には、ゆっくりと羊皮紙を炎に投げ入れたスリザリンの寮生がいた。
次に、アンジェリーナが入れ、ライトブルーの制服のスカートを翻しながら優雅にボーバトンの生徒たちが続いた。
「あの制服、着てみたくない？」
「二人には似合うでしょうね……私はあんまり……」
分厚い本を抱えて隣に座ったハーマイオニーは、無邪気なジニーの問いに首を振って答えた。
「見てA、セドリックよ」
何人もの友だちに背中を押され、つんのめるようにしてセドリックが年齢線を越えた。
緊張した面持ちで羊皮紙を入れると、また友だちに背を叩かれながら帰って行った。
「あの集団、いつも思うけど本当に騒がしいわよね」
ハーマイオニーが顔を顰めたとき、よりいっそううるさい声で叫びながらフレッドとジョージが走って部屋に入ってきた。
「イエーーイ！皆見てろよ！」
「老け薬さ、今朝完成したばっかり！」
途端によりいっそう活気が溢れ出した部屋に、本を音を立てて閉じたハーマイオニーは鼻で笑った。
「ダンブルドア先生がかけた呪文を、あなたたちの老け薬なんかで誤魔化せると思うの？」
「ところがどっこい」
「誤魔化せちゃうんだなあこれが！」
心底楽しそうに笑ったフレッドは、Aに向き直った。
「賭けをしようぜA」
「いいわよ、何を賭ける？」
「俺が年齢線を越えられたら、キスさせてくれよ」
Aは一瞬固まり、言葉の意味が頭に浸透するにつれてじわじわと顔が赤くなった。
グリフィンドール生の冷やかす声に、Aは顔を覆ってくぐもった悲鳴をあげた。
「越えられなかったら？」
「何でもひとつ願いを叶える」
無言で頷いたAを見てフレッドはにやりと笑い、ジョージといちばん高い段差に上った。
「用意は？」「いいよ！」
「「カンパーイ！」」
勢いよく小瓶の中身を飲み干し、年齢線の内側へ飛び込んだ。
一瞬待っても何も起きず、生徒たちは歓喜の声を上げた。
「ハーマイオニー、ダンブルドアは天才なんでしょう！？」
「そのはずだけど……」
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
