ep.68 ページ20
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「俺は、知ってたよ」
椅子に座り直し、フレッドが静かに言った。
ロンは信じられないというような顔をして、「強がんなって」と慰めのつもりで火にガソリンを注ぐようなことを言ったが、フレッドは怒ることなくゆっくり首を横に振った。
「俺が、愛してるって言ったら＿＿これを見ても同じことが言えるのって、そう言って、見せてくれた」
フレッドの顔はいまだ愛情に満ち溢れていて、兄は騙されてるんじゃないか と思ったロンも、それ以上何も言うことができなかった。
*
A・ベネットの腕に闇の印があるという事実と、ついでにフレッド・ウィーズリーが魅惑魔法をかけられているのではないかという噂は瞬く間に全校に広がった。
医務室から出たAを待ち受けていたのは二年の時のとんでもクソビッチというような言葉がまだ優しく聞こえるくらいの暴言の数々だった。
マクゴナガルが厳しく取り締まっていたため大っぴらではないものの、歩けば上から水が降ってくることなど日常茶飯事で、どこにいても心が休まらない日々が一ヶ月以上続いた。
「だから俺は何を言われても気にしないって」
「私が気にするの」
「俺のことを思ってくれてるのはわかったけどさ、守らせてくれよ……前にも言っただろ」
「言ってない」「言った」
フレッドを振り切るように早歩きをしていたAは立ち止まり、フレッドの方に向き直った。
スニーカーが廊下の床に擦れてきゅっと音を立てる。
「私がずっとあなたに魅惑魔法をかけてたって言ったらどうするの？」
「信じない」
即答するフレッドに、Aは「話にならない……」と額に手を当てた。
「いいこと？私は左手に闇の印がある死喰い人で、誰も私を信じない中で唯一私の味方をするあなたは、そんな悪い女に騙されている可哀想な人なの！」
「それで？左腕に印があること以外でそこに真実はあるか？」
Aはぐっと言葉に詰まった。
フレッドの真っ直ぐな目にとうとう根負けしたAは、「ないわよ……」と弱々しく呟いてフレッドの胸に頭を押し付けた。
*
「僕はフレッドが魅惑魔法にかかってるんじゃないかと思うね」
夕食の席で、チキンをむしゃむしゃと齧りながらロンが言う。
大広間での生徒たちの話題は、専ら授業のことか明日来る二校の生徒たちのことかそのことかの三択だ。
「名推理に口を挟むようですけどね、それは無いわよ」
「なんで言い切れるんだよ！ハーマイオニーもあのフレッドの目を見たろ！」
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
