ep.66 ページ18
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次の日、Aは闇の魔術に対する防衛術の教室に向かっていた。
先に受けていたフレッドとジョージによると、「イカした授業」とのことで、Aは大広間でのこともあってか少し怯えながら教室に入った。
ハーマイオニーたち三人は一番前の席を陣取っていたが、Aは影に隠れるように一番後ろの端に座った。
ムーディは義足とステッキの音を立てながら教壇にたち、大して興味もなさそうな顔でひとりひとりの名前を呼んだ。
ABC順で呼ばれたが、Aの名前が呼ばれないままCに移り、Aの背中を嫌な予感が走り抜けた。
もうすぐDに移るだろうと言う時に、ムーディの義眼がぎろりとAを睨んだ。
「A・キャンベル」
生徒たちはざわめき、Aは思わずムーディを睨み返した。
ムーディは馬鹿にしたような顔をして、ステッキを鳴らしながら近づいてきた。
「犯罪者は返事も出来ないのか、ン？名前を呼ばれたら元気よくハイだ、キャンベル」
それでもAが返事をせずに黙りこくっていると、ムーディはフンと鼻を鳴らして次の生徒に移っていった。
授業中は針のむしろのような気持ちで、許されざる呪文を目の前でムーディが蜘蛛にかけてみせる間も、生徒たちはムーディと蜘蛛とAを交互にちらちら見ている。
Aは自分をジロジロ見る目から逃げるように机に突っ伏し、太陽のような眼差しを思い浮かべた。
Aは、自分や周りが思っているよりもずっと、存外彼に依存してしまっているようだった。
授業終わりのチャイムが鳴ると、長年収監されていてやっと釈放された囚人かのように教室を飛び出した。
"逃げ出した"という方が正しいかもしれない。
しかし、ムーディがそれを許さなかった。
ドォン と地鳴りのような音がすると同時に、階段を駆け下りていたAはまるで紙くずかのように軽々しく吹き飛ばされた。
打ち所が悪かったのか一瞬で意識が朦朧とし、Aの記憶はそこからほとんど途切れている。
ただ、恐怖と嫌悪に満ちたざわめきと、誰かの叫び声だけが頭にこびりついていた。
*
「やめて！なんてことするの！？」
「やめろよハーマイオニー」
「どうしてそんなに落ち着いていられるの！？」
ロンは今にもムーディに飛びかかりそうなハーマイオニーをハリーと二人がけで抑えた。
ハーマイオニーは髪を振り乱し、涙を流しながら抵抗したが、ムーディがAの左腕を高く上げたことで息を飲んで、何も言葉を発せなくなってしまった。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
