Rewrite the stars (ページ10)

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〈Ⅱ〉ep.9 ページ10

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ウィーズリー家の四男、フレッドはイライラしていた。
それはもうとても、いつもイライラの原因になる二つ下の弟、ロンが気を使ってくるくらいにはわかりやすくイライラしていた。
というのも、夏休暇も終盤になるというのに、Aから手紙が来ないのだ。ソワソワ通り越してイライラである。
毎日毎日窓の近くでウロチョロする兄のせいで末っ子のジニーにまでイライラが伝染する始末で、ジョージやロンはAを呪うばかりだった。

「フクロウがいないんじゃないかな、ほらペットもネコだったし」
「魔法動物の専門家の家に？一羽も？」
「アー……まあ忙しいんだろうさ」

見覚えのないフクロウが飛んできたと思えばホグワーツからだったり、ロン宛にハーマイオニーからだったりでそろそろ諦めてもいい頃なのに、フレッドはずっと窓の外を眺めるのだった。

「そうだ、こっちから手紙を送ればいいんだよ、なんで気づかなかったんだ！」
「静かにしろ、ロニー坊や。それはイッチバン言っちゃいけないことだぜ」
「なんでさ！」「おいジョージ」
「フレッドは格好つけようとするあまり、相手の住所を聞き忘れたんだ。去り際に羊皮紙ピッ、そのままおさらば」

ロンに驚かれ、しまいには立ち聞きしていたジニーに「そんなダサいことある？」とせせら笑われてしまい、フレッドはがしがしと頭をかいた。

「待って＿＿＿待って僕、Aの住所知ってる！ハーマイオニーたちとその話してた！」

しばらくして思い出したように口を開き、顔色を伺うようにおそるおそる目線を上げたロンは、フレッドのニッコリとした恐ろしい笑みに悲鳴をあげて飛び上がった。

〈ケント州プラックリー村デリング・ウッズのどこか黒いヒッポグリフが目印〉

ところどころ震えで文字がおかしいところがある羊皮紙を、フレッドは満足気に眺めた。
ただ普通に手紙を出すだけじゃ面白くない。
これだけ待たされたんだから、どデカくお返しをしてやりたい。
にやりと笑い、部屋でゴソゴソしていたジョージを捕まえて暖炉の前に立った。

「ジョージ、フレッド嘘だろ！？」
「嘘じゃあないぜ」
「やるな相棒」
「それじゃあ行こうか！」

「「デリング・ウッズ！」」

ロンとジニーの悲鳴に何事かと現れた母親のモリーは、粉の舞う暖炉を呆然と眺めたあと、怒りに我を忘れて大声で叫んだ。

翌日、帰ってきた2人が５年に１度あるかないかくらいの大カミナリを(文字通り)落とされたのは、言うまでもない。