Rewrite the stars (ページ7)

今日:20 hit、昨日:83 hit、合計:83,736 hit

ep.6 ページ7

.

ある12月の寒い日、Aは雪の中に埋もれる人を見つけてひっと飛び退いた。

「フレッド・ウィーズリー……死んでる？」
「ああ、死んでる」
「……元気そうでなによりよ」
「君が通りかかると思った」

全く噛み合わない会話にAは顔を顰めて、少し距離を開けて座った。

「その言い方だと私を待っていたように聞こえるわね」
「そうだよ、君を待ってた」

フレッドの言葉にAは片眉を上げて、どうして？と尋ねてやる。

「君、友達いないだろ」
「あらそんな理由？」

Aは呆れて声を出して笑った。
実際、初めの方こそハーマイオニーといたAは、やはり一人の方が性に合うとひっそり離れていき、ハーマイオニーはハリーやロンと行動を共にするようになった。
簡潔に言うと、Aはひとりぼっちなのだ。

フレッドや、その相棒のジョージ、リー・ジョーダン、加えてアンジェリーナ・ジョンソンなどはそんなAと友達になりたいと言っているのだという。
自分が代表して伝えに来たのだとフレッドは言った。

「お優しいのね、グリフィンドールの3年生は」
「そうでもないぜ？俺たちが特別優しいだけだ」

Aはふと鼻を鳴らして笑った。

「ひとりぼっちで可哀想な後輩を構ってあげてると思ってるかもしれないけどね、私実はあなたたちと同い年なのよ」
「＿＿＿本当に？」

黙って頷いて見せると、軽く起き上がっていたフレッドはもう一度音を立てて雪の中に戻った。

「私、2歳の時に"生まれた"から」

雪の中にひっそり意味ありげに囁いてやると、不意に伸びたフレッドの手がAの寒さで赤くなった頬に触れた。

「暖かいな」
「あなたの手が冷たいのよ」

そうかもなと体を起こしたフレッドの背中から雪を払うのを手伝ってやり、少し間を開けてからAが口を開いた。

「年下だと思って可愛がるのはやめてって伝えて」
「つまり？」
「つまり、お友達になってさしあげてもいいわよってこと」

大きく口を開けて笑ったフレッドは、「素直じゃねえ口」と頬ごと大きな手でつまんで嬉しそうに立ち上がった。

「それ、自分で言ったほうがいいぜ、みんなに」

座り込んだままのAに手を貸して立ち上がらせて、フレッドはその方がきっと喜ぶと付け加えた。

ピンクブラウンの瞳は嫌だと言いたげに細められたが、フレッドがすかさずAを抱えあげたせいで逃げることは叶わなかった。