Rewrite the stars (ページ39)

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ep.37 ページ39

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「穏やかでいい子ね」

嘴から頭をゆっくりと撫でながら呟くと、ハグリッドはそうだろうそうだろうと自慢げに頷いた。
バックビークと名前を呼ぶとぎゅると喉の奥で鳴いて小首を傾げるのが愛らしく、Aは嘴に頬を擦り寄せた。

「おっといけねえ、そろそろみんな来る時間だな……お前さんはちょいとここで待っとってくれ、俺がまずみんなに挨拶して、ほんで呼びに来る。」

フェレットの死体が大量にぶらさがったベストを着せ＿Aは心底嫌そうな顔をしていたが＿、ハグリッドは巨体を揺らしながら楽しそうに生徒たちの元へ向かった。

「バックビーク、いい子にするのよ」

毛に埋もれた首の下を撫でてやると、人間の言葉はわかってはいないだろうが、わかってると言いたげに目を細めた。

*

数分後ハグリッドが緊張した顔で迎えに来て、Aはベストからフェレットを一匹取ってバックビークに食べさせ、手網を引っ張った。

「A！どこに行ったのかと思ったわ！」
「ワオ、君イカしたベスト着てるね」
「あなたが着てもいいのよ、ロン？」

片眉を上げて脱ぐ真似をすると、ロンは「君すごい似合ってるし、遠慮しとくよ」と首を振った。

「おーし、ハリー！お辞儀だ、丁寧にだぞ！」

いつの間にか前に押し出されていたハリーが最初にバックビークに触れることになり、Aはそっと離れた。
こっちばかり見るバックビークにハリーの方を指して前を向かせると、膝を折ったままのハリーにバックビークはそっとお辞儀をした。
それからハリーは上に乗ってホグワーツを一周してみせ、久々に飛んだのであろうバックビークは嬉しそうに飛び跳ねながらAに擦り寄った。

Aがフェレットを投げてやり、バックビークが咀嚼している時、後ろから「ただのデカい鳥じゃないか！醜い野獣め！」とマルフォイの不遜な声が聞こえてきた。
途端、Aが睨みつけるよりもハグリッドの制止の声よりも早くバックビークが走り出し、鋭い鉤爪がマルフォイの腕を引っ掻く。

「バックビーク！ああもう、血が着いてる……ハグリッド、バックビークを洗ってもいい？」

ハグリッドは呆然とし、思い出したようにマルフォイの元に駆け寄った。
興奮しているバックビークを落ち着かせた後、Aは杖を取りだして跪き、爪先に向かって「スコージファイ(清めよ)」と唱えた。
たちまち綺麗に戻った鉤爪を満足そうに撫で、手網を引いてハグリッドの小屋に繋いでやった。