Rewrite the stars (ページ25)

今日:2 hit、昨日:83 hit、合計:83,718 hit

ep.24 ページ25

.

重苦しい雰囲気のまま、ホグワーツはクリスマス休暇に突入した。
人の少ない大広間の天井には雪が降っていて、クリスマスツリーやオーナメントが飾られている。
Aは常に温かいままのココアを3つとり、杖で浮かせながらプレゼントの箱を物色するフレッドとジョージの隣に腰掛けた。

「たくさんもらったのね」
「ああ、毎年親戚から色々。」

あ、これAのとココアと引き替えに手渡された包みにAは目を見開いた。

「私の？誰から？」
「俺らのママさ、たぶん色違いのセーター」

包み紙を解いてみると、ジョージの予想通り中には暖かそうな毛糸のセーターが入っている。
グレーにラベンダーでイニシャルが書いてあるそれをAはたいそう気に入り、その場で着てみせた。

「どう？」
「「似合ってる」」
「あなたたちのお母様って最高！手紙を送らないと」

Aの稀に見るご機嫌さに二人は顔を見合せ、やれやれと首を振った。

「この様子だと俺たちの糞爆弾は出番がなさそうだな」
「当たり前でしょう！トイレの便座も糞爆弾もいりません！」

ぴしゃりとそう告げると、勢いよく開かれたドアから冷たい風と共に黒いフクロウが飛び込んできて、三つ包みを落としてまたすぐに去っていった。

「叔母さんからだわ……」

残り二つの宛先を確認してテーブルに放ると、二人は歓声を上げて包みを開き始めた。
Aは、一年前のクリスマスプレゼントがドラゴンのヒゲだったことを思い出してあまり期待せずに包みを開いた。
途端、ぴょんと飛び出す黒いもの。
外の世界にびっくりしたのかキョロキョロ辺りを見回し、いそいそとココアを混ぜていた小さな銀のスプーンをお腹に仕舞い込んだ。
Aは呆然とするしかなく、あっという間にそれ＿二フラーという魔法生物＿はほかのテーブルにキラキラを物色しにいってしまった。

「魔法生物はペットにしちゃだめだって言ったのに……！」

苦々しげに顔を顰めると、にやにや笑って手伝う気の一切なさそうな二人を置いてハッフルパフ生の男の子たち＿Aの少し苦手な部類の人＿が集まるテーブルの方に向かった。

「ばか、だめだったら！＿＿＿アクシオ(来い)！」

杖を向けてそう叫ぶと、二フラーは手に誰かのローブのボタンを抱えたままAの手に引き寄せられ、すっぽりと収まった。
テーブルの上に逃げないように抑えて横腹をくすぐると、身を捩りながらお腹からぽろぽろと大量のキラキラが次々飛び出す。