Rewrite the stars (ページ19)

今日:40 hit、昨日:83 hit、合計:83,756 hit

ep.18 ページ19

.

次の日の朝、飛び込んできたジニーは蒼白で、熱がほぼ下がりかけてきたAよりよっぽど体調が悪そうだった。

「昨日の夜、ミセス・ノリスが石にされたの！」
「フィルチの猫が石に？どういうこと？」
「わからない！けどみんな、秘密の部屋がどうとか、継承者がどうとか……」
「ジニー、あなたすごく顔色が悪いわ、少し休みなさいよ」
「私、わたし…」

Aがベッドの中から優しく手を掴むと、ジニーは何かに怯えたように首を振り、後ずさってそのまま走り去ってしまった。

「ジョージ」
「へい？」

Aが口の端で名前を呼ぶと、窓からひょっこりと顔が飛び出した。

「ジニーのこと、気をつけて見てあげて」
「まあお兄ちゃんだからな、言われなくてもそうする」
「私もきっと今日中には戻れるから……」

すっぽりとベッドに埋まると、マダム・ポンフリーがせかせかとやってきてAの熱を測り、ベッドから追い出した。

「ほらね」
「退院おめでとう、今夜はパーティだな」
「うるさいわね、その前にあなたは試合でしょう」
「なんで知ってる？」

Aは、ジョージの後ろをまっすぐ指さした。

「親愛なる鬼キャプテン様があなたを迎えに来たわよ」

顔を引き攣らせたジョージは逃げ出そうとしたが、あとはおまえだけだと言わんばかりに肩を怒らせたオリバーに耳を引っ張られ、試合前恒例の超長々スピーチに連行された。

「A！ああよかったもうすっかり元気そうね！」
「ハーマイオニー……ジニーは？」
「ジニーは体調があんまり良くないみたい…今日は寮で休むって」

そう言うと、ハーマイオニーはAの手を引いて競技場へ向かった。
スリザリン対グリフィンドールの試合は大抵の生徒がグリフィンドールを応援するせいで、競技場は赤に染まっている。
ハーマイオニーが部屋から持ってきてくれたグリフィンドールカラーのマフラーを巻き、ロンが小さな応援旗を分けてくれた。

「マルフォイなんか目じゃないぞハリー！」
「ハリー！危ない！」

試合が始まって数分、観客は次々異変に気づいて顔を見合せた。
ビーターのフレッドとジョージがいくら跳ね飛ばしても、ブラッジャーが執拗にハリーだけを追い回しているのだ。

「僕がやるよ」
「だめよロン！」
「そうね、ブラッジャーの代わりにあなたがノックアウトされるわ」

ロンは渋々杖をローブにしまい、ハグリッドは怒りに拳を握った。

「誰かが細工したにちがいねぇ！」
「スリザリンかしら？汚いわね！」