Rewrite the stars (ページ15)

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ep.14 ページ15

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「箒、乗れるようになったんだって？」

魔法史のレポートを書くための資料を図書室で探していると、後ろから爽やかな声がして振り返る。

「＿＿＿誰？」
「セドリック・ディゴリー、ハッフルパフ」
「初めまして。箒はおかげさまで少し。」

Aは口角を無理やり吊り上げて、セドリックを見上げた。
背が高くて健康そうな顔色をしている。
そういえば同じ部屋のラベンダーたちが、かっこいい人ランキングとかいう馬鹿げたのに名前を出していたことを思い出した。
確かに爽やかで万人受けしそうな顔だ。

「私、課題をしなきゃいけないんだけど……用がないなら放っておいていただいてもよろしいかしら？センパイ。」

近くのテーブルで先に課題を広げていたハーマイオニーは、刺々しい言葉と態度に苦笑いをした。
ここのところ、Aはずっとピリピリしている。
箒の訓練を見た生徒たち＿主にクィディッチチームの男子のファンの女の子たち＿が、A・ベネットは複数の男を誑かしているとんでもないビッチだと言いふらしているのだ。
箒に乗れないフリをして男たちと遊んでいると言われた時には、それまでは鼻で笑っていたAも、「男と遊ぶために落第までする人がいると思うの！？」と憤慨していた。

「結局セドリックは何の用って？」
「知らないわ、噂のとんでもビッチを見に来たんじゃないの」

羽根ペンを動かす手の動きも明らかにイライラしていて、ピリオドを打つときに羊皮紙に穴が開きやしないかとひやひやする。

「あの人、自分がどれだけ女の子に見られてるか自覚ないのかしら？余計に風当たりが強くなりそうだわ！」

*

「アグアメンティ(水よ)！」
予想通り、ハーマイオニーが授業のことでマクゴナガル先生に質問に行き、Aが一人で歩いていると嫌なクスクス笑いとともに上から大量の水が降ってきた。
まだ秋とはいえ、さすがにずぶ濡れになると凍るように寒い。
Aが悪態をつきながら嘲笑の方向を睨みあげると、やはり黄色のローブがいくつかひるがえるのが見えた。

「アッチでもコッチでもお盛んなこった」

指先が触れただけで噛みつきそうな顔で振り返るAに、フレッドは降参と言うように両手を上げてみせる。
杖を取りだしたフレッドが小さく波のような動きをすると、暖かい風が吹いてびしょ濡れだった服が半乾き程度になった。

「＿＿＿ありがとう」
「どういたしまして。濡れてんのも良かったけど、そのまんまだと風邪ひいちまうからな」