クッキー ページ43
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…疲れた。
ターンを終えるごとに少なくなっていく人、残ったけれど精神が狂っている人。
死んでも生きても地獄だ。
母親は仮眠をとっていて、他の人たちも疲れ果てたのか居眠りする人が多かった。
暴力による殺害は禁じられているとはいえ、ここまで来たら誰も信じられないのか、方々に散らばって少しだけ休息をとる人たち。
体は疲れているのに頭は寝ることに危険信号を示していて、ゆっくりと目を閉じるのに爆発音がずっと頭の中で鳴っている。
「キミも眠った方がいい」
地下のお菓子倉庫の中で低い棚に腰掛け、外を映す窓によりかかっている私に低い声が降ってきた。
チシヤさんだ。
「…」
「おーい、無視？」
チラリと一瞥したまま外を見ていると、棚からお菓子を持ってきた彼が袋を空け、モグモグと食べ始める。
「隣いい？」
許可を出していないのに、勝手に腰掛ける。
「何しに来たんですか…。イッペーくんと組んでるなら私なんかとつるむ必要ないのに」
「私“なんか”ねぇ…」
私の言葉のどこに疑問を持ったのか反復してくる。
面倒くさくなって彼から距離を置こうと、棚から腰をあげかけたところで腕を取られた。
「…別にどこか行かなくたっていいじゃない」
「こんな時間に寄ってくるような男とつるみたくないです」
睨みながら腕を振りほどくと、「厳しいねえ」と飄々とした態度た雰囲気の彼。
「“こんな時間”に黄昏て外を見てるのは誰？」
刑務所だからか壁掛け時計が無いが、体感深夜の3時、というところだろう。
「…寝ても誰も殺しに来ないよ、ここはそういうゲームだから」
「なんでそんなに余裕なんですか。皆怯えているのに。楽しいですか？」
信じられなくて睨みつけると、月明かりに照らされた彼がゆっくりとこちらを見る。
「怖い、っていう感覚が分からないかな」
クッキーを食べながらもぐもぐと咀嚼する。
君も食べる？と差し出されたけれどそんなもの信じられなくて「要らないです」と呟いた。
「何か食べないと。何も口にしてないでしょ？」
「お腹すいてないです」
「そう言わずにさ」
お菓子をガサゴソ漁るチシヤさんは、「そういえば。距離感じるからタメ語にしようよ。さん付けもなしね」と事も無げに言う。
「…近づいても死んじゃうかもしれない」
「怖いんだ？仲良くなるのが」
…そうかもしれない。
あ、あったあった、これなら食べられるんじゃない？
そう言って差し出されたクッキーと、彼の骨ばった手に何故か胸が苦しくなった。
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がんもえ(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！！♡♡ (2023年2月2日 1時) (
レス) id: 828bc06f55 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 苹果飴さん» 苹果飴さん、ありがとうございます！通知がうるさいとは思いますがこれからも宜しくお願いします🦙 (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ナギさん» 愛しまくります嬉しいです🫶🏻🤍🤍😭 (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - がんもえさん» ありがとうございます！是非メッセージの方に送らせて頂きますね！ (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - サハラサバクさん» サハラサバクさん、コメントありがとうございます！溢れ出る創作意欲をぶつけてるだけなので誤字脱字多いかもしれませんが、宜しくお願いします！笑ദ്ദി^._.^) (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月27日 12時
