恩を仇で返す ページ1
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「…案外、ビーチ以外のホテルもアリやなぁ」
自然と出た言葉が気遣わし気になってしまって口を抑える。
なんだか、どんな言葉を掛けても彼にとっては励ましや哀れみになってしまいそうでそっと開きかけた口を閉じた。
「まぁそうだねぇ、俺は寝床があればそれでいいし」
入ったホテル。
案外いけるかもね、とベッドの強度を確認するチシヤはまるで先日のことなんか無かったかのよう。
いつものチシヤで、それがまるで怖かった。
「…なぁ、」
「他の部屋も使えるか見てきたら？クイナの寝る場所が無いでしょ」
「いや、あんた優先なんかい」
思わず突っ込んでしまったのは関西人の性。
元々ゲーム会場で使われていたのか、血だらけの部屋が多い中綺麗なこの一室は奇跡と言っても過言ではない。
「…探してくるわ」
はーい、と軽薄な返事を聞きながら彼の部屋のドアノブを閉める。
…あの日。
ビーチが “終わった” 日、燃え盛るホテルに向かって歩いていくチシヤを思わず追いかけた。
戸惑うウサギに、「こっちは大丈夫やからアリスと合流し！」と声をかけると少しの間を置いて、「分かった」と言った。
「あのバカ…」
幸い上の方は火が回っていない。
一室だけカーテンが開かれている部屋がある。
きっとそこがAがいる部屋。
「…燃える火を見ながら焼かれるなんて、どんな趣味しとんねんA…！」
駆け出しながら舌打ちをする。
勇敢で綺麗に笑うAの姿を思い出しながら涙がこぼれ落ちた。
…あの時、嘘をついたことを後悔している訳じゃない。
だけど、安心するような表情を見せたAに、もっと上手い、バレない嘘の付き方があったはずじゃないか、と自責の念が込み上げてくる。
何度も何度も彼女に命を助けられた。
あのゲームだって、Aが居なきゃ運転手不在できっと死んでた。
…ウチがやったのは、恩を仇で返すような行為や。
今思えば後悔ばかり。
あそこでチシヤを見つけて、引き剥がしたのも。
ベストな判断やったとは言えん。
ウチも部屋の中に話しかけて、Aに言えばよかったのに。
迫り来る火にそれどころではなく、半ば引きずる様にチシヤを連れて下まで行った。
丁度ホテルを出たところで本館の倒壊が始まり、
…何となく、チシヤの顔は見れんままここまで来た。
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がんもえ(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！！♡♡ (2023年2月2日 1時) (
レス) id: 828bc06f55 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 苹果飴さん» 苹果飴さん、ありがとうございます！通知がうるさいとは思いますがこれからも宜しくお願いします🦙 (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ナギさん» 愛しまくります嬉しいです🫶🏻🤍🤍😭 (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - がんもえさん» ありがとうございます！是非メッセージの方に送らせて頂きますね！ (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - サハラサバクさん» サハラサバクさん、コメントありがとうございます！溢れ出る創作意欲をぶつけてるだけなので誤字脱字多いかもしれませんが、宜しくお願いします！笑ദ്ദി^._.^) (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月27日 12時
