次の標的 ページ30
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「第4ターン スタート」
独房を出る。
生き延びた人達がゾロゾロ中央へ向かっていき、セトくんが脱落した事を知る。
ウルミのチームは「どういうこと?」と顔を見合せ彼がジャックで無いことを嘆き始めた。
……本当にセトくんがジャックだと思っていたのか。
腕を組みながら動向を見守っていると、横に並んだチシヤが「生還おめでとう」と微笑んだ。
「死んじゃった、彼。」
「うん。」
「きっとこのターンでも誰かが死ぬ。」
「…早くもみんな正常な精神状態が保てなくなってる」
チシヤの言葉に、少し前にいたイッペーくんが振り向いた。セトくんが亡くなった事に少なからず動揺しているようだ。
「制限時間無期限って言ってたけど……、早めに決着しそうだね。」
グループは2人組の方がいいのかもしれない。
私たちのグループを見つめながら各地へ散らばっていく人たちを見つめながら、私は冷静に考えた。
「ほらね言ったでしょ。」
そう言うように私に微笑みかけ、背を向けるバンダを睨みつけながら。
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「あの女 さっきみんなで口裏合わせようとしたら反対したよね?…排除しない?」
ウルミが地下室で指示を出す。
次の標的はメイサさんだ、2人は共に行動していたのになんて残酷な。
誰も、何も言わない。
ただ自分の番が回ってこないことを祈ってるだけ。
何だか、徐々に酸素がなくなっていってるみたいなゲーム。
早く終わって。
ただひたすらにそう願いながらそっとため息をついた。
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作者名:みりん | 作成日時:2023年3月13日 23時