よんぶんのよん ページ30
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「チシヤさんも、これが欲しいんですか？」
諦めて、ショートパンツから投げやりに瓶を出す。
ピクリと反応した彼の目の前でブラブラ揺らす。
「残念だけど、俺は医者だから。その薬の効能を知った上で食べようとは思わないな。」
クッキーの方が美味しいよ。と、彼がいつも食べているクッキーを私の手に握らせる。
馬鹿馬鹿しい。こんなのが嫌な思い出を消してくれるものか。
「君が飲んでるこれは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬。｣
尚も続ける。
「確かに精神的ショックに用いられることもあるけど、副作用は頭痛、吐き気、食欲不振。全部コンプリートだ」
彼がおすすめしてきたクッキーを食べなかったことを未だに根に持っているのか。真剣な顔で「何錠飲んだ？」と聞いてくる。
それには答えずに、「ナイショ」と彼の真似をすると、剣呑な顔をした彼が「A」と鋭い声で言った。
「…ほーらね。天使なんて居ないよ、後藤さん。女神もいない。」
ポツリと独り言を呟けば、静かに見ていたチシヤさんが「そう？」と疑問を口にした。
信じてないくせに。
睨みつけると、綺麗な顔が目前に迫ってきていた。
「天使、俺も見つけたけどね」
唇が重なる。
優しく味わうように、何度も何度も。
彼とのキスは、最初の筈なのにどこか懐かしくて切なかった。
「…置いていかなかったよ。」
不意にそう言う彼。
あぁ、前にそんな話したな、と、最早もう懐かしい英単語を口にする。
「なんだったっけ…Don't leave me alone...？」
頭が痛くなる。
それを遮るようにもう一度口付けを落とされた。
「…君はハートだよ。」
「…嘘つき、」
ボーッとした顔でチシヤを見る。
「続きはここを出てからね」と言う。
甘い嘘に騙されるのはもううんざりだ。
「よんぶんのいち」
小さく呟けば、「1分の1だよ。ハートだから。」と念を押すように言われた。
「…貴方のマークは教えない。」
「うん。じゃあ俺が賭けに勝ったら、もう一度キスしよう」
閉じ込めた胸の奥が小さく疼く。
馬鹿な私。
小さな口約束に、乗せられて。
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みりん(プロフ) - がんもえさん» クイナとアンのペア、すごく好きです(；；) ただ、スペードのキングのゲーム後にクイナに冷たい態度を取っているので…仲直り出来るのか( ›_‹ ) (2023年2月7日 0時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - おむらいすさん» お母さんと交代してもらいました！暫くチシヤのターンですのでお付き合い下さい( ◜ᴗ¯)🤝(¯ᴗ◝ ) (2023年2月7日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - らむねさん» 実は、参加しないのです！やっぱりこのゲームは残酷なので、2人とも生き残るのは違うかなと¯֊¯⋆꙳ (2023年2月7日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
がんもえ(プロフ) - 別のゲーム会場で誰かと会うのかな！クイナとかアンに会って欲しい……… (2023年2月6日 23時) (レス) @page41 id: 828bc06f55 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - dさん» そうなんですよ…( -᷅ ̫̈-᷄ )𐑲𐑲𐑲 チシヤと鉢合わせてしまうのか、ご期待ください✨️ (2023年2月6日 23時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年2月1日 23時
