アッチ側 ページ22
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「あー？難しいな」
頭をガシガシ掻きながら後藤が笑った。
「俺ァ難しいことは何もわかんねぇからよ、だからハートに来たんだけど間違いだったな！」
カラカラ笑う。太陽みたいに。
「…まぁ、全部を理解しろとは言わないけど」
「つまりアレか？嬢ちゃんと吉塚はドライブってゲームで一緒に組んでクリア。そしてまたここで再会。嬢ちゃんが覚えてないのをいい事に、このゲームへの恨みを嬢ちゃんのせいにして、」
「それは国枝ヨウコが洗脳したんだけどねぇ」
「嬢ちゃんを吉塚に襲わせた、けど失敗、ってことか」
「あぁ。Aに別のマークを教えたけれど俺が邪魔したからAは生き延びた。次の手を使った、その駒が吉塚だった、って事」
難しいなぁ。ともう一度言う。
ブー！
ブザーが鳴り、各々が独房に入っていった。
時間になるまでの雑談で後藤に話しかけていたが、それも中断して1歩踏み出す。
小部屋へ左足をかけたところで、生死を分かつ時間だと言うのに呑気な声で後藤が言った。
「まー、何もわかんねぇけど。ひとつ分かんのは、君が嬢ちゃんに惚れてるってことだな」
ニヤリ。
そう言い残して俺の隣の独房に姿を消す。
…適当なことを言わないでくれるかな
好き？
そんなことあるはずがない、この気持ちはもっと違うものだ。
そもそもそんな合理的でないもの、彼女に抱くはずがない。
どこかで小さく爆発音が響き、自分の扉は解錠される。
とんでもないことを言い残して入っていった後藤は、また、なんでもないような顔をして普通に部屋から出てきた。
…生き残ったのか。
「あー…死んだか」
後藤がモニターを見ながら小さくそう呟く。
「悪ぃことしたし、気弱な兄ちゃんだったけどよ…。
良い奴だったよ、根は。悲しいなぁ」
吉塚タクヤ。
その名前が、黒く塗りつぶされ消えた。
ペアを組んでいたからか少し寂しそうな後藤、その奥には憎んでも憎みきれないのか悲痛そうな顔をしたAが居た。
……悲しい？
そんなの思わない。
俺は彼がきっと死ぬだろうと確信していてあえてマークを教えなかった。
隅では手を組んでつまらなさそうな女がいる。
彼を殺した諸悪の根源だ。
……好きとか、そういう感情を持つわけが無い。
所詮自分も、Aの母親と同じ部類なのだ。
感情は二の次、目的遂行の為になんでもやる。
…人はそれを狡猾と言うだろう。
ふと目が合った国枝ヨウコが蛇のように舌なめずりをしながら手を振るのを、微笑んでじっと見ていた。
「俺はアッチ側だな」
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みりん(プロフ) - がんもえさん» クイナとアンのペア、すごく好きです(；；) ただ、スペードのキングのゲーム後にクイナに冷たい態度を取っているので…仲直り出来るのか( ›_‹ ) (2023年2月7日 0時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - おむらいすさん» お母さんと交代してもらいました！暫くチシヤのターンですのでお付き合い下さい( ◜ᴗ¯)🤝(¯ᴗ◝ ) (2023年2月7日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - らむねさん» 実は、参加しないのです！やっぱりこのゲームは残酷なので、2人とも生き残るのは違うかなと¯֊¯⋆꙳ (2023年2月7日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
がんもえ(プロフ) - 別のゲーム会場で誰かと会うのかな！クイナとかアンに会って欲しい……… (2023年2月6日 23時) (レス) @page41 id: 828bc06f55 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - dさん» そうなんですよ…( -᷅ ̫̈-᷄ )𐑲𐑲𐑲 チシヤと鉢合わせてしまうのか、ご期待ください✨️ (2023年2月6日 23時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年2月1日 23時
