もう一つ ページ7
「声がね…聴こえるんだ」
「声？」
ノットは本棚に背中を預けながら顔を僕に向ける
「あぁ」
「で、その声はなんて言ってるの？」
「それが…うまく聞き取れない」
あの声はどこか苦しそうな事はわかるが小さく弱々しい
「ふーん」
「あまり興味ないようだね」
本棚の本の背表紙を指で撫でる彼に僕が尋ねると彼はまたヘラリと笑い答える
「まぁね、君はその声が何か検討がついてるみたいだしね。その為にここにいるんだろ？」
「あぁ、今確信したよ」
僕は本を全て本棚に戻し図書室を出る
「今度は何をするつもり？」
隣に並んだノットに目をやると彼はいつも通り飄々としている
「Aに手紙を書くよ」
「え？」
ノットは立ち止まり目を見開いていた
「なに？」
「君は何か危ない事しようとしてるんじゃないの？」
「まぁ場合によっては…かな」
僕は今後起こり得ることを想定する
「そんな事、あの人に言うつもり？」
「Aは助言を貰うのに頼りになるからね」
「あの人、そんなに頼りになるの？」
「あぁ、たとえ僕がホグワーツを卒業してもAの知識量に追いつくことはない」
「それは経験値の違いなんじゃないか？あの人っていくつなんだろう？」
「…」
「魔法使いは見た目も変えられるから…僕は会った時から一つも変わってない気がするけどリドルはどう思う？」
「あぁ、Aは出会ったあの時から…」
僕は初めてAに出会った時
ダメになってしまったケーキに手を伸ばすAを思い出す
その後の前髪を上げられて初めてAと目があった時…
「ずっと綺麗だ」
「…ははは、僕君の冷めた笑顔はよく見たけど今のあの人を想うその笑顔は初めて見た」
「他はどうでもいいからね」
「じゃぁ、その笑顔を見られた僕は他よりあの人に近いのかな？」
「ふふ…さぁ？どうだろうね。君の頑張り次第じゃないかい」
僕はノットにいつもの笑顔を向けると彼は大きく笑う
「あははは…なら精々株を上げることにするよ」
僕はそんなノットにまた笑顔を向けてAへの手紙の内容を考える
今回のAへの手紙は僕にとっては保険だ
危機的状況に陥った時の…
「書き出しはどうするか…」
そう、その時は保険のつもりだった
だからあんな事になるなんて僕は思ってもいなかったんだ
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マリアンヌ(プロフ) - はじめまして。主人公の性格がすごく好きで、小さなリドルがとても可愛いです！原作の彼にも、こんな風に受け入れてくれる誰かがいれば･･･とふと考えてうるっときちゃいます。これからも更新、楽しみにしています。 (3月30日 15時) (
レス) id: 1f5a49a19a (このIDを非表示/違反報告)
ヴォルデモート狂 - めちゃくちゃ好きです…！リドルの性格を残したまま夢主にずぶずぶはまって、今のところ振り向いてもらえないところまで！続き待ってます…！ (2月22日 16時) (レス) id: b51b55022c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - リドルの夢小説なかなかないので嬉しいです！！！！！！あと！！！夢主がトムと同じ学生じゃないのも！！！！！すき！ (9月4日 20時) (レス) @page2 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ｍ(プロフ) - コメント失礼します。続編、おめでとうございます。いつも、楽しくて面白い小説を書いていただき、本当にありがとうございます。そして、更新お疲れ様です。これからも、作者様のペースで楽しく小説活動を続けて行ってくださると、とても嬉しいです。 (8月31日 23時) (レス) @page1 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅澪 | 作成日時：2023年8月31日 1時
