変わらない ページ23
「バジリスクの捜索は進んでおりますかな？」
『いや…どうやら潜ったようだ…何かを感じ取ったのか、そういう生態なのか分からんがな』
そう言って彼女は紅茶のカップに口付ける
『ニュートからの返信はまだか？』
「はい」
『全くどこをほっつき歩いている…』
舌打ちをする彼女に少し微笑みを向けると少し睨まれる
「彼はそういう男ですからな…まもなくクリスマス休暇ですがどうされるおつもりですか？」
『うーん…しばらくは様子を見るつもりだが動きが無いようなら一度帰るかな』
「トムはどうされるつもりですかな？」
『…連れて帰るつもりだが…もしかしたらあれはリドルにしか反応を示さないのかもしれない』
「彼を囮にするつもりですかな？」
『喰い付かせる気はないがね』
足を組み妖艶に笑う彼女を見ると古い学生時代が脳裏に浮かぶ
「…まぁ、今日はクリスマスパーティーです。血生臭い話はこれまでにして宜しければこれをどうぞ」
『何だこれは？』
杖を振り、彼女の目の前に現れた大きな箱
「貴女の為にご用意しました。私が学生の時はご用意出来ませんでしたので」
『…私はパーティーに参加するつもりはないぞ』
「おや？何故ですかな？」
『顔を晒す訳にはいかんだろう』
「ハロウィンの使者になっては？」
『そんな必要が何処にある…』
「私が楽しいです」
にっこり笑顔を向けると彼女は少しポカンとした顔の後に笑う
『はっ！お前もいい性格になったものだ』
「教育の賜物かと」
『いい教育を受けた様だな』
「正しく…では会場でお待ちしております」
『世話焼きな老人になったな』
「ほっほっ…年も経験も積みましたからのぉ」
『私にとってはお前は変わらず生徒のままだがな』
「貴女も変わりなく私の教授のままです。これは学生時代お世話になった恩返しとでも思って受け取って下さい」
『ふふ…』
「…あの時の貴女には贈られる相手が決まっていたようですから、それに彼は…」
『アルバス、それ以上は喋るな』
ピリリと肌が粟立つ
これは殺気
「失礼致しました」
『危なかったぞアルバス。それ以上話していたらお前を殺していた』
「それは危険ですな」
『これ以上、私を不機嫌にさせる前に出ていけ』
「はい、教授」
彼女の部屋を出て廊下を歩く
殺気のこもった瞳を思い出しながら
彼女の中にはまだあんなにも燃えるような感情が燻っていて
そして彼女の中にはいつも隣に居た彼がまだ…大きく居座っているか…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 713人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マリアンヌ(プロフ) - はじめまして。主人公の性格がすごく好きで、小さなリドルがとても可愛いです！原作の彼にも、こんな風に受け入れてくれる誰かがいれば･･･とふと考えてうるっときちゃいます。これからも更新、楽しみにしています。 (3月30日 15時) (
レス) id: 1f5a49a19a (このIDを非表示/違反報告)
ヴォルデモート狂 - めちゃくちゃ好きです…！リドルの性格を残したまま夢主にずぶずぶはまって、今のところ振り向いてもらえないところまで！続き待ってます…！ (2月22日 16時) (レス) id: b51b55022c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - リドルの夢小説なかなかないので嬉しいです！！！！！！あと！！！夢主がトムと同じ学生じゃないのも！！！！！すき！ (9月4日 20時) (レス) @page2 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ｍ(プロフ) - コメント失礼します。続編、おめでとうございます。いつも、楽しくて面白い小説を書いていただき、本当にありがとうございます。そして、更新お疲れ様です。これからも、作者様のペースで楽しく小説活動を続けて行ってくださると、とても嬉しいです。 (8月31日 23時) (レス) @page1 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅澪 | 作成日時：2023年8月31日 1時
