結婚しましょう【森鴎外】

結婚＊３ ページ3

拠点に戻ってエリスと森は執務室へ。彼女は買ってもらった服を抱え、本がたくさんの部屋に入って行く。

彼女はマフィア所属の情報員として、本に囲まれた部屋で一日の半分を過ごす。彼女はとても優秀で、ポートマフィアの殺 し以外の情報を全て知っていると言ってもいい。

昔居た優秀な情報員が帰ってきたようだ。


だが離れている間、森はあまり仕事が手につかない。


「中也くん、もう休憩かな？」


「首領(ボス)、。残念ですが三分も経っていません。それにその質問は今ので十五回目です」


「リンタロウしつこいわ」


そんな事言われたって会いたいものは会いたいのだ。

森は息を深く吐いて机に突っ伏した。


すると控えめのノックが部屋に響く。


「失礼します」


「A！！」


彼女が部屋に入って来た瞬間、森が素早く近づいた。彼女は驚いて肩を跳ね上がらせながら、「お、鴎外さん？どうかなさったんですか？」と心配そうに表情を変える。

すると中原がわざとらしく大きな声で言った。


「この書類片づければ仕事は終わりだな」


森はその言葉に分かりやすく反応して、中原の方を向く。


「中也くん」


「分かッてます」


それだけ言うと森は彼女の手を引く。まだ困惑している彼女は、中原に頭を下げて森と共に扉の外へ消えた。


「…今日は徹夜だな」


首領(ボス)があんなに幸せそうなのは久しぶりだから、まァ徹夜くらい安いものか。

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