結婚しましょう【森鴎外】

結婚＊１ ページ1

彼女と付き合って、一年と半年は経った。もう一年とは早いものだ。

家に帰れば彼女が居るし、たまに職場にも来るようになった。そのおかげというかなんというか、幹部の尾崎と彼女はすっかり仲良しだ。


「エリスちゃん、この服はどうですか？」


「可愛いわ！これにする！」


それに彼女が居ると、エリスが自分から服を着る様になってくれた。二人並んで服を選ぶ姿はまるで親子。綺麗な彼女と可愛いエリス、並んだら天下一の写真スポット化するだろう。

とりあえず、彼女と一緒に居れることは一番の幸せだ。


「鴎外さん。エリスちゃん、これにするみたいですよ」


「おお！エリスちゃん、きっと似合うよ」


「ですよね、見るのが楽しみです」


ハッキリ言って彼女にも着てもらいたい。絶対彼女にも似合う。

エリスは彼女の服の袖を小さく引っ張った。


「Aも着ましょ！」


「えっ」


「いいわよね、リンタロウ？」


「もっっちろんだとも！！」


「えええ！？」


「こっちこっち」とエリスに手を引かれて、女性ゾーンへ入って行く二人の背中を眺めて、静かにエリスに向けて親指を立てる。まじナイス。

さて、エリスが彼女を連れて行ってくれたことで、森は腕を組んで堂々と考えた。


森は彼女が居ない時に、この行動をよくする。

彼女が居る時にすると心配されるという事もあるが、気づかれてはいけない事なのだ。


指輪を買うという事を＿。

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