【шт】電車

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夢主視点


あの日から数日経ったけど電車で彼の姿を見なくなった。
学校が休みなのだろうか。


フワフワした気持ちで帰ったあの日、
お母さんの「おかえり」のひと声で一気に現実に戻され、あることに気づいた。
名前を聞いてなかった。
話せたことへの嬉しさと迷惑をかけてしまった罪悪感から
名前を聞いている暇なんて自分の頭には無かった。

「早く会いたいな」

ため息と共にぽつりと呟いた一言は誰にも聞こえないほどに小さかった。
一度話しただけの相手にこんな感情を持ったのは初めてで。
彼と出会ってからここ数日、自分はおかしくなった気がする。
学校に行くのが楽しみになったのなんて初めてだった。



きんときさん視点


話ができたあの日から3日間も学校が休みで、彼女に会えない日が続いていた。
そういえば名前を聞くの忘れてたなあ、なんて
何をする訳でもなくぼーっとしているとインターホンが鳴った。
誰かと思えばNakamuときりやん。
遊ぶ約束なんてしてないはずなのに押し掛けてきた。
嫌な予感がしない訳がない。


「最近付き合い悪いんじゃなーい？」

インターホン越しにそう問われ、
玄関先で話す訳にもいかず取り敢えず中へ入ってもらった。

「色々と忙しいんだよ。」

確かに最近学校の帰り遊びに誘われても断ることが多かった気がする。

でもあの時間に帰らなきゃ彼女に会えないから。

「絶対なんか隠してるでしょ！」
「全部話してもらうよー」

図星を突かれ、諦めのため息が出た。
俺は2人にここ数日の事を全部話した。

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