【шт】電車

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きんときさん視点

帰りの時間一緒だったらなって思っていた矢先、
彼女はいつものドアから乗り込んできた。

帰りは電車も混んでなくて座る余裕がある。
ありすぎて彼女が隣に座ることなんてないけど。


乗り換えでホームに出たその時

駆け込み乗車をしようとしたらしい男性とちょうど電車から降りた彼女がぶつかった。
見るからに軽いその体はよろめき、体重が前へとかかった彼女を俺は咄嗟に支えた。
ぶつかってきた男性はもうそこには居らず、電車は出発してしまっていた。

「大丈夫？」

「だいじょうぶ、です。」

彼女は言葉に詰まりながらもそう答えてくれた。
姿勢を立て直し落ち着いた彼女は、
「すいません」と何度も謝ってくれた。

「気にしないで」と言っても申し訳なさそうな顔をした彼女に少し気が引けてしまった。
重い空気を和ませるため言葉を口にする。

「怪我してない？びっくりしたでしょ。」

「大丈夫です。驚きはしましたが私もあまり前を見ていなかったので…。」

「でもぶつかってきたあのおじさんが悪いよ。」

と、苦笑いしながら返す。


その流れのまま到着した電車に2人して乗り込む。

今がたくさん話すチャンスだ、と思い食い気味に言葉を紡ぐ。

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