回復魔法は身につけておきましょう。 ページ6
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「はぁ……はぁ……、ボクは……一体……？」
『ほら、あまり動かないで。傷が残ってしまったら大変ですから。』
良かった。正気を取り戻しているようだ。
回復魔法が効いているみたいです。呼吸も心音も落ち着いている。
エースたちは不満そうだけど、これでスッキリできたでしょう。めちゃめちゃ大規模ですが。
「…………。
ボク…………本当は、マロンタルトが食べたかった。
薔薇は白だっていいし、フラミンゴもピンクでいい。
お茶に入れるのは角砂糖より蜂蜜が好きだしレモンティーよりミルクティーが好きだ。
みんなと食後のおしゃべりだってしたい。」
「リドル……？」
「ずっと、もっとトレイたちと、遊びたかった……う、うう……うううっ……わぁあああん！」
……あのリドルがギャン泣きしてる。
まあリドルにも色々あったんでしょうね。家庭環境がちょっとアレっていうのは聞いていましたし。
「リドル、お前のやり方は間違ってた。だからみんなにちゃんと謝るんだ。」
「……うっ、ぐす……ごめんなさい……。ごめんなさい……っ！」
「オレ、寮長が今までの行動を謝ってくれたら言おうと思ってたことがあんスけど……。
ゴメンの一言で済むわけねーだろ！絶ッッ対許してやらねーーー！！！！」
えぇー……。彼も大概空気読みませんね。
前から決めてたんでしょうね。恨みがこもってる。
「そんな……じゃあ、どうすれば……。」
「……オレ、しばらくは誕生日じゃないんだよね。」
「は？お前何を言って……。」
「だから、『なんでもない日』のパーティーのリベンジを要求する。
オレたち、結局パーティーに参加できてねーし。そんで今度はお前がタルトを作って持って来いよ。」
リドルが作るタルト……。いいなー、ボクも食べに行かせてもらいましょ。
「いい？わかった？」
「……うん。わかった。」
「うんうん。歩み寄りは美しきかな。これで一件落着ですね。」
「…………A先生。ご迷惑おかけしてすみませんでした。」
『良いんですよ。リドルが無事で良かった。ストレスは溜めちゃダメです。何かあったらなんでもボクに相談して下さい。』
リドルの頭を優しく撫でてあげると、また顔を真っ赤にする。あれ、怒られるようなことしましたかね。
「………………さすがAせんせー。初恋ドロボーの名は伊達じゃないね。」
「……だな。」
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大食いは個性です。→←生徒のピンチには颯爽と駆けつけましょう。
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作者名：林檎と珈琲豆 | 作成日時：2022年8月8日 15時
