拾い食いは辞めましょう。 ページ25
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「ああぁあああぁあああぁあ……ッ！！！」
写真を見せられたアズールはまたオバブロするんじゃないかと思うくらいの落ち込みようだった。
一度ストレスを溜めて爆発しちゃった子に追い討ちをかけるなんて……かわいそ。
「……ううっ、もういやだ。今すぐタコ壺に引きこもりたい。」
「とにかく。写真を持ってくるって約束は果たしたぜ。お前が出した条件を完璧にクリアした。」
『つーか盗みって犯罪だからね？早く元の場所に返してきて。ボクの人生かかってるから。』
「重っ。」
まあ教師なんて辞めても生きていけるケドね。
瑞雪の国の第十三王子が教えていた生徒が盗みを働いたなんて兄たちの耳に入ったらどんな嫌味を言われるか……。
「一緒に返しに行きましょう！」
「……わかりました。でも、どうか画像ソフトで僕を消した写真にこっそり差し替えさせてください……。」
「は、往生際悪いぜ。」
「そうですよ。記録は大切なものですから。」
「ねーねー。いつ行く？みんなで行くんでしょ。エレメンタリースクールの遠足以来のアトランティカ記念博物館、楽しみだなー。」
『はいはい、楽しんで行っらっしゃい。じゃ、ボクはこれで。』
「何言ってんの？スズメダイせんせぇも行くんだよ。」
『えっ。』
めんどくさぁ……。でもフロイドがこう言い出すのを聞かないともっとめんどくさいしなぁ……。
なんかボクも行く体で話進んでるし……、はぁ。
「……スンスン、スンスン……。」
「ん？グリム、何地面に鼻擦り付けてんの。」
「オレ様のグルメハンターのカンが言っている……この辺にトリュフのごとき真っ黒なご馳走が落ちていると！」
うげぇ、拾い食いなんてしてんの？
狸の味覚は理解できないわ。使い魔にするならやっぱ猫よね。
「ふな゛っ！黒い石みーっけ！グルメハンター・グリム様の鼻は誤魔化せねぇんだゾ〜！」
『黒い石……？』
「……黒い石だと？」
レオナも疑問に思ったのか、ユウに何か聞いている。
黒い石……。確か何かの本で読んだハズなんだけど……思い出せない。
でも、嫌な予感がするのは確かだ。
まあいいか。そこまで重要でもないっしょ。
話も終わったようだし、そろそろ帰ろう。
オクタヴィネル寮の鏡を潜り、こっそり校舎へ戻ることにした。
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先生っぽいことも言えるんです。→←空気はしっかり読めるようになりましょう。
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作者名：林檎と珈琲豆 | 作成日時：2022年8月8日 15時
