生徒の怪我を面倒事だなんて思っていません。 ページ12
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「ふーん。不審な事故による怪我、ねえ。」
「でも話を聞いてるうちに、全員がおっちょこちょいか、大会が楽しみで浮かれてるだけなんじゃねーかって思ってきたんだゾ。」
「エース！大変だ！」
「ん？なんだよそんな慌てて……」
デュースがドアを突き破る勢いで入ってくる。
まあ壊れたら学園長に修理させればいっか。
そう考えていると、デュースが焦りながら口を開いた。
「クローバー先輩が階段から落ちて怪我をしたって……。」
「えっ！？」
『それは……ただのおっちょこちょいには思えないな。』
「話を聞きに行ってみるんだゾ！」
ボクは転移魔法を使い、トレイの部屋の前に移動する。
流石に突然中に入るのはキモイんで。
「失礼しまーす。」
「クローバー先輩、大丈夫ですか？」
『トレイ、話は聞いたよ。大丈夫？』
「おう！眼鏡！シケたツラ拝みにきてやったんだゾ！」
「あれ、エーデュースコンビじゃん。それにグリちゃんにユウちゃん、A先生まで勢揃いで。」
『トレイ、怪我はどんな感じ？』
「階段から足を踏み外したんです。受け身を取り損ねて右足を派手にやってしまって。しばらくは松葉杖生活になりそうです。」
「えっ！それ、わりと重症じゃないですか。」
「今年のマジフト大会、俺は見学になりそうだ。」
見学か……。3年生は卒業も近いし、出させてあげたいけどねぇ。
「もー。マジ勘弁。主力選手のトレイくんがいないのしんどいし、また選手選びをし直さなきゃ。」
「「！！選手選び？」」
「なんだいキミたち。怪我人の部屋にどやどやと集まって。」
『リドル。』
「！A先生。こんにちは。」
またびっくりされた。そんなに影薄いかなボク。泣くよ？
「＿＿その怪我は、ボクのせいで……。」
『……？どういうこと？聞かせて、リドル。』
「用事があって、昼休みに3年生の教室に行ったんです。
その時……＿＿＿＿＿。」
話を聞くに、階段から落ちかけたリドルを庇ったトレイが怪我をしてしまった。ということらしい。
やっぱグリムが言うようなおっちょこちょいでは無い気がする。
もっと複雑な……。
はぁ、また面倒なことになったよ。
「ささ、もう怪我人はゆっくり休ませてあげよ。退散、退散〜。」
ケイトに押されて半ば強制的に部屋の外に出される。
みんな先生の扱い雑すぎじゃない？
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作者名：林檎と珈琲豆 | 作成日時：2022年8月8日 15時
