28話 ページ34
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もうすぐNRCでは期末テストが行われる。
勉強は得意な方だからこの行事は苦手ではないけれど、好きにはなれない。
『ケーイト！あっそぼー。』
「Aくんじゃん！今日はちょっと勉強しないといけなくて…。リドルくんに怒られちゃうからさ〜」
『そっか〜。じゃまた今度ね！』
ごめんねっと手を合わせるケイトに笑顔で手を振って踵を返す。
はぁ…またこの時期が来た。
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『ルークっ！』
「おおムシュー・小鳥！すまないね。今は少し忙しくて……」
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『エペル！』
「わっAサン…今日は勉強会があって……」
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『アズール！』
「すみません。この時期は少し忙しくて……」
そう。こうなるから嫌いなんだ。
みんな勉強勉強って言ってボクにかまってくれない。ボクと勉強どっちが大事なのさっ。
まあボクも学ばない人間ではないのでこういう時何処に行けば良いかはもうわかっている。
『えへ、遊びに来ちゃった。』
「チッ。またかよ。」
『とか言って〜。ホントは嬉しいくせに。』
「ったく……鬱陶しいからそっち行ってろ。」
テスト期間にも関わらず勉強をしない人。
ボクの知ってる限りはきっとレオナくらいだろう。
というワケで今はレオナの部屋に遊びに来ている。
レオナにシッシッと追いやられたので勝手に部屋を見て回っていた。
うひゃー、高級そうなのがいっぱい。
「…………おい。お前が出ろ。」
そこらに落ちているブレスレットなどをつけて遊んでいるとレオナが突然そう言った。
大方誰かが来た音でも聞こえたんだろう。
獣人族っていいなー。便利そうで。
そう思いながらドアを開けると、来客さんは出てくるとわかっていたのかすごい笑顔で立っていた。
「わっ！Aさん来てたんスか！お茶持ってきてるんでどうぞゆっくりしてってくださいッス！」
『…………白々しー。』
「おいラギー。ここが誰の部屋かわかって言ってんのか。」
きっと匂いでも嗅ぎつけられたんだろう。
というかテスト期間にボクがレオナの部屋に来ると毎回ラギーも来ていた。
彼の性格を知ってからだと怖いとすら思えてくる。
「用が済んだならさっさと出てけ。窮屈でしょうがねえ。」
「ちぇっ。わかりましたよー。それじゃあAさん、さよならッス！」
『ばいばいラギー。勉強頑張ってね。』
彼の頬にキスを落とすと顔を真っ赤にして走り去っていった。
その後のテストでラギーがいつもよりいい点をとったのは、テスト後まで知ることはなかった。
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林檎と珈琲豆(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます！不定期になるかもしれませんが、面白いと思って頂けるような話を頑張って更新していきますので、これからも読んで頂ければ嬉しいです！ (2022年8月6日 23時) (
レス) id: 28265de769 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - とっても面白いですこういう小説待ってました！！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！！ (2022年8月6日 21時) (レス) id: 4c9728094c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎と珈琲豆 | 作成日時：2022年8月6日 16時
