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「あ、立花さん。おはよう。」
ニコッという効果音が聞こえてきそうなほど大きな笑みを浮かべて挨拶をしてくれた大和くんに小さく笑いかける。
「おはよう、大和くん。」
彼...大和駿也くんはついこの間行われた席替えで隣の席になった男の子。
バスケ部に所属していて、運動神経は抜群。
綺麗なキャラメル色の髪はいつもぴょんひょんとどこかしら跳ねているて、それはまるで彼の性格を表しているかのよう。
クリっとした大きな黒い瞳と、筋の通った鼻や、薄い唇...。
背も高くて、多分180cmくらいあるんじゃないかな。
とてもスラリとしていて、傍目から見てもそのスタイルの良さは窺えるもの。
容姿も整い、クラスでもカッコイイと言われる彼は男女ともに好かれていてるの。
隣の席になった私にも最近では毎日必ずいつもにっこりと愛嬌のある人懐っこそうな笑みを浮かべて挨拶をしてくれるんだ。
あまりまだ話したことはないけれど いい人なんだろうな って一目で分かる彼。
そんな彼は私の元クラスメイトで仲間の美門翼くんとかなり仲が良かったんだ。
翼たちのいつも楽しげな様子を目にしていたから、ちょっと話してみたいな なんて思っていたから隣の席になれて少し嬉しかったんだけど...
...全く話せないんだ。
だって、いつも大和くん、友達に囲まれてしまっているから。
誰かと話しているのに特に用事があるわけでもない私が話しかけるのはちょっと、ね。
やっぱり気が引ける。
ふぅっと小さく息をつくと、窓の外に目を向けた。
するとすぐに校門をくぐり抜ける人達の色とりどりの傘が視界に入って頬が緩んだ。
カラフルな花が沢山咲き誇っているようで思わず気分が上がる。
傘って色んな人の性格を表しているようでちょっと面白いよね。
...私、結構この季節好き。
理由はいくつかあるんだけど、私の家の近くの公園で咲く紫陽花がとっても綺麗なの。
晴れた日に見る紫陽花も好きだけれど、特に私は雨が降っている日の紫陽花が好き。
だって、雨の雫で濡れた花びらが光の加減でキラキラと光っているのは本当に綺麗だから。
毎回思わず見惚れちゃうんだ。
ここ最近毎日雨が続いているからよく見に行ってるだけど。
今日も、見に行こうかな...。
そんなことをぼんやりと考えていると、ホームルーム長の声が聞こえてきて慌てて前を向く。
いつの間にか、HRの時間になっていた。
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セダム(プロフ) - むっちゃんさん» わー、ありがとうございます!!更新遅くてごめんなさい!続きも楽しんで読んでもらえればと思います! (2021年12月24日 21時) (レス) @page44 id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 続きが気になって気になってたまらなく、気づいたら読み終わってました。最高です!! (2021年11月25日 22時) (レス) @page39 id: fa31dfe0b6 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 萸衣さん» あちらの方も読んでくださりありがとうございます!!どちらも更新不定期ですが更新した時は読んでくれると嬉しいです。頑張ります! (2021年7月31日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
萸衣 - pixivでもセダムさんの作品読ませていただいています。とても面白いのせこれからも更新がんばってください。 (2021年3月29日 20時) (レス) id: 1e603ecb86 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 千香さん» 大丈夫ですよ(^^)消しときますね! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2019年4月20日 19時