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あの日、あの時見た彼の表情がどうしても忘れられなかった。






苦しそうで、切なそうで泣きそうな...




...そんな表情。






まるで...







心の友を解消して見せたあの傷ついたような表情






ねぇ、翼...



私、また何か間違えた...?







「はあ!?分かんないって何だよ。お前の気持ちだろうが。」






ぼそっと呟いた私の言葉もばっちり聞き取ったらしい若武が噛み付くように叫ぶ。






「ちょっと若武...」





「そいつのこと、好きなのか!?お前さぁ、協定はどーした。お前があんなのたてたから俺らは...」





「若武っ!」







若武の言葉を遮るみんなに私はぎゅっと拳を握りしめた。







だって若武の言おうとしていること、分かってしまったもの。




そして...本当に私があやふやで、みんなにも迷惑かけてしまっていることが。






「...ごめん、帰るね。」






その場に居た堪れなくなって書斎を飛び出した。






アーヤっ!とみんなの呼ぶ声が聞こえてきたけれど、無視する。






...考える時間が、欲しかった。



頭が、もういっぱいいっぱいだったの。







大和くんのこと、翼のこと、私がたててしまった協定...






「...もう、分かんないよ」






そう呟きながら信号の赤にブレーキをかけた。
キィッという鈍いブレーキ音と共にゆっくりと止まり、トンっと片足を地面につける。
行き交う車を見てぼんやりと佇み、大きく息を吐くいた。







私...どうすればいいのかな。





"恋"ってなんだろ。



"憧れ"と"恋"はどう違うの...?





私は、大和くんが好きなの...?






でも、だったら...どうして翼のことばかり頭を過ぎるの...?





彼は、何故あんな表情をしたの...?





どうして...





グルグルと頭を渦巻く変わらない悩みに頭を抱えた。


解決するどころか、一生かかっても解決できない気すらしてきてどんよりとした気持ちに飲み込まれそうになる。





ううっ...





思わず この信号結構長いな なんて思いながらも唸っていると今はあまり聞きたくない声が聞こえてきた。






「...あれ?立花?」








「...大和、くん...。」









...ジジっという音と共に蝉が1匹飛び立った_______






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セダム(プロフ) - むっちゃんさん» わー、ありがとうございます!!更新遅くてごめんなさい!続きも楽しんで読んでもらえればと思います! (2021年12月24日 21時) (レス) @page44 id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 続きが気になって気になってたまらなく、気づいたら読み終わってました。最高です!! (2021年11月25日 22時) (レス) @page39 id: fa31dfe0b6 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 萸衣さん» あちらの方も読んでくださりありがとうございます!!どちらも更新不定期ですが更新した時は読んでくれると嬉しいです。頑張ります! (2021年7月31日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
萸衣 - pixivでもセダムさんの作品読ませていただいています。とても面白いのせこれからも更新がんばってください。 (2021年3月29日 20時) (レス) id: 1e603ecb86 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 千香さん» 大丈夫ですよ(^^)消しときますね! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2019年4月20日 19時

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