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「アーヤ!お前、彼氏出来たって本当か!?」




書斎に入るやいなやガタンと立ち上がり身を乗り出して叫ぶ若武に私はびくり。




えっと...





「落ち着け、若武。アーヤがびっくりするだろ。」





黒木くんが直ぐに若武を宥め、私を見つめた。




「ごめんね、アーヤ、驚かせて。実はちょっと風の噂でアーヤがクラスのやつに告白されて付き合い出したって聞いたんだ。
俺らが間に入るようなことではないと思ったんだけど、気になってね。」




「で、どーなんだよ。お前、そいつと付き合ってるわけ?」






黒木くんに続けて何故か鋭い光を目に宿した上杉くんに尋ねられる。
じぃっとみんなが私に注目してちょっぴりたじろぐ。






「...付き合って、ないよ。」






その言葉にほっとしたような雰囲気が漂う。



でも...







「そうか。じゃ、断ったんだな。」







安心したようにそう言った若武の言葉に首を横に振った。






「...ううん。まだ、返事はしてない。」





「え...?」








その瞬間ぎょっとしたような表情に変わり、目を見開いて私を見つめるみんな。
中には何だか咎めるような視線もあって私は思わず俯いた。






「どうしてだ、アーヤ!お前、そいつと付き合う気かよ!?」






若武の鋭い光を宿した大きな瞳に私は力なく首を横に振り、ぼそっと呟いた。






「...分かんない。」






そう、分からないんだ、自分の気持ちが。





大和くんに"憧れ"を抱いているとは思うけれど、彼自身のことをよく知らないからそれが本当に"憧れ"なのかも分からないし、他の感情であるのかも分からない。



そんな状況で大和くんに返事するなんて失礼にも程があるし、できっこないもの。






そして、何より、今それ以上に私の心を占めているのは...









翼のことだったから_______________









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。*→←第3章 向日葵の咲く季節



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セダム(プロフ) - むっちゃんさん» わー、ありがとうございます!!更新遅くてごめんなさい!続きも楽しんで読んでもらえればと思います! (2021年12月24日 21時) (レス) @page44 id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 続きが気になって気になってたまらなく、気づいたら読み終わってました。最高です!! (2021年11月25日 22時) (レス) @page39 id: fa31dfe0b6 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 萸衣さん» あちらの方も読んでくださりありがとうございます!!どちらも更新不定期ですが更新した時は読んでくれると嬉しいです。頑張ります! (2021年7月31日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
萸衣 - pixivでもセダムさんの作品読ませていただいています。とても面白いのせこれからも更新がんばってください。 (2021年3月29日 20時) (レス) id: 1e603ecb86 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 千香さん» 大丈夫ですよ(^^)消しときますね! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2019年4月20日 19時

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