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ひらひらと粉雪のように私に降り注ぐ淡い桃色の花びら。



そこに、陽の光が射し込んで綺麗なグラデーションを作っていた。





思わず上を見上げ、笑みが零れる。







綺麗...







さあっと柔らかな春風で私の元まで運ばれてきた桜に気分が上がっているとふと横の方から視線を感じた。



ゆっくりと振り向くとそこにはいつものように綺麗な笑みを浮かべる翼。




バチッと目が合うと益々笑みを深くして。



その美しさに思わず見とれそうになって視線を少し外しながら、どうしたの? と小さく首を傾げると、突然、私の頭にスっと手が伸ばされた。





翼の白くて繊細な、でも明らかに私よりも大きな手が優しく私の髪を掬う。




サラサラと髪が指から零れた。







...な、何!?








突然の翼の行動に目を丸くして、動揺してしまう。




1人であたふたしていると、翼はふっと悪戯っぽい笑みを浮かべた。








「...ほら、アーヤ。桜、髪についてたよ。」








そう言って出された手を見れば確かに桜の花びらが乗っていて。




何だかあんなに驚いてしまった自分が少し恥ずかしくなった。





思わず俯いてしまう私を見て、翼がクスッと笑う。





そんな翼を軽く睨みつけた。





それでも尚笑い続ける翼に はぁ っと溜息を零す。





けれど、私もつい翼に釣られて笑いが込み上げてきたんだ。






結局、堪えきれず笑ってしまい、2人でクスクスと笑い合う。






穏やかな空気に包まれる。






と、そんな中、バカみたいに大きな声が響き渡った。









「おいっ!お前ら何見つめあってんだ!!
さっさとこっちに来いっ!」








驚いて振り向けば、大きな桜の木の下で仁王立ちしながら私たちを睨みつける我がリーダーの姿。






思わず翼と顔を見合わせ、苦笑する。








「行こっか。」







そう言ってにっこりと凶器といっても過言じゃないほどの笑みを向けられ内心ちょっとドキドキしながら そうだね と返してのんびりとみんなの元に足を向けた。







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。*→←第1章 桜舞う季節



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セダム(プロフ) - むっちゃんさん» わー、ありがとうございます!!更新遅くてごめんなさい!続きも楽しんで読んでもらえればと思います! (2021年12月24日 21時) (レス) @page44 id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 続きが気になって気になってたまらなく、気づいたら読み終わってました。最高です!! (2021年11月25日 22時) (レス) @page39 id: fa31dfe0b6 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 萸衣さん» あちらの方も読んでくださりありがとうございます!!どちらも更新不定期ですが更新した時は読んでくれると嬉しいです。頑張ります! (2021年7月31日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
萸衣 - pixivでもセダムさんの作品読ませていただいています。とても面白いのせこれからも更新がんばってください。 (2021年3月29日 20時) (レス) id: 1e603ecb86 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 千香さん» 大丈夫ですよ(^^)消しときますね! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2019年4月20日 19時

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