置いてけぼり ページ12
『とか言ったのに………!』
クチャの中で1人、そう呟いた。
杉本達は二瓶って言う男の情報をゲットしたらしくて、探しに行った。
ボクはその間、ここの見張りをしてろ、なんて言われた。
『ヒマでヒマでしょうがないじゃん!!』
実はさっきまで、刀の素振りやら、鳥ちゃんと戯れてたりやらしていたのだが流石に飽きてしまった。
ぼすっと雪の上に寝っ転がる。
尾形は今も病室の中で寝っ転がってるのかなぁ、なんて考えてみる。
『マフラー、なかったらすっごい寒かったんだろうな………』
薄紫のマフラーに触れると母を思い出す。
ボクが逃げたって聞いたらどう思うだろう。
怒るかな。
理由聞かれるかな。
でも………
理由なんて簡単だ。
『金塊をゲットできる確率は杉本達の方が高いもん』
喋るたびに白い息が出る。
白「Aーっ!」
ア「帰ってきたぞー」
白石とアシリパちゃんだ。
そう思い、急いで起き上がる。
白石とアシリパちゃんの側には片足を怪我した男がいた。
『………いや、あれは谷垣じゃないか?』
なんとなく、見てわかった。
ア「知り合いか?」
『ボクの部下………』
谷「………!一条咲少尉!」
『なんだ、今更気づいたのか?』
むっとした表情をしてみる。
谷「えーっと、これには事情がありまして………」
『そんなの知らないよ。それに、ボクはもう少尉じゃないよ、きっと』
杉「一条咲は逃げてきたんだとさ。」
谷「!」
谷垣はものすごく驚いた顔をした。
それより、杉本は帰ってくるのが急だな。
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