変わらぬ愛の先にあるもの

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「A！これから万事屋にヨツッ・・・子供たち預けんのやめよう！なっ！」



『えー、二人ともなついてるし、私達が忙しいとき預かってくれるのあの人たちくらいだし、ちょっとそれは無理かと・・・』



あの後、お登勢さんに全員つまみだされてからも路上で続いた親バカ喧嘩は、真剣騒ぎにまで持ち込みそうになったところでヨツバの「眠い」という鶴の一声で収まった。



そのまま帰り、二人を寝かし付けた後の夫婦の時間。ほうじ茶を飲みながら、十四郎さんは何時になく必死だ。



『大丈夫ですよ。銀さんは面倒見良いですし、新八君だって神楽ちゃんだっています。娘の初恋とられたからって、そんなムキにならない』



「いやっ！俺は別に・・・ヨツバの初恋が俺じゃ無かったから言ってる訳じゃねえしっ。お父さんと結婚したいって言われたかった訳じゃねえしっ！」



いや欲望駄々漏れですが。この人は本当に、私と子供の事になるとバカになる。



そっぽを向いて顔を赤らめている十四郎さんを見て、そんなところも好きなんだけどなと思ってしまう私も重症なのかもしれない。



『・・・私は、ヨツバの趣味は良いと思いますがねぇ』



「はぁ！？お、お前、まさか・・・」



『不倫とか言い出したらはったおしますよ』



ポツリと言った言葉が十四郎さんの中で何か誤解を招いていそうなので、真顔で訂正する。



『銀さんがね、姉さんの法事の時に言ってたんですよ』



姉さんに、十四郎さんと似てるって言われたって



酒に酔ってた時に言ってたし、本人は愚痴のつもりで言ってたのだろうけど、私はその言葉に納得させられた。



『姉さんがあの短期間でそう思った通りくらいなんです。ね？ヨツバは良い趣味してると思いません？』



ちょっと意地悪な顔で笑うと、十四郎さんはぐぬぬと唸る。



「昔はもっと初心で可愛かったのに」



『今の私は嫌いですか？』



「・・・はぁーっ！」



確かに昔はやられっぱなしだったが、今はもっぱらこの調子だ。




十四郎さんは額に血管浮かせながらも、キスで返してきた。ロマンチックな奴め。

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