変わらぬ愛の先にあるもの

夢の中で３ ページ25

土方side



取り敢えず、Aを横たわらせて、自分は着替える。



その後、葛藤の後、Aの体をなるべく見ないようにしてささっと水を拭い、浴衣を纏わせた。



Aをおぶい、こそこそと脱衣場をでて廊下に人がいないか確認。



そのまま潜入捜査で鍛えたしのび足で、自分の部屋まで向かう。



・・・なんか、すっごい悪いことしてるみたいになってら



なにやってんだかな。思わずハハハと乾いた笑い声が漏れそうになったが、ぐっと堪える。



無事部屋に着き、Aを俺が普段使っている布団に寝かせると、俺は一服吸いに縁側へと出た。



・・・さあどうしようか。総悟に引き取りに来てもらうか？いや、あらぬ疑いをかけられそうで面倒臭いな。



Aの部屋に行こうにも、今度こそバレそうだし、そもそも彼女の部屋には鍵がかかっている。俺じゃ入れねえ。



・・・この部屋に置いとくしかねぇよな。チクショウ今日は布団で寝たかったのに。



そもそもなんで俺がこんなことを、イライラすると吸う量が増えるので、すぐにタバコが切れまた部屋に戻ってくる。



Aは未だぐーすか寝ていて、その寝顔は真選組総監督の地位につくものとしてはあまりにもあどけない、子供の寝顔だった。



そうか、こいつまだ18歳なんだよな。仕事にストイックで、誰よりも真面目に、気を抜かず取り組むAだからこそ忘れていた。



自分よりも九つも年下。同じ年頃の女子は、綺麗な着物に身を包み戦場とは無縁の暮らしを送っているというのに、こいつは民を守るため毎日のように剣を振るっている。



そういえば、こいつの白い肌はやけに傷が目立っていた。こいつに刻まれた沢山の大小様々な傷は、普通の暮らしをしていたらつくことは無かっただろう。



突如、Aが寝返りをうつ。あんま眠りが深くねえのか。そう思った次の瞬間



『・・・姉、さん』

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