あの世からの言葉 ページ15
土方side
お盆の季節になり、隊士達もちらほらと休みをとって里帰りする奴が出てきた頃。
俺は、やっと訪れる気になれたミツバの墓に足を向かわせた。
沖田兄妹とは(総悟に)来るなと言われそうなので、わざとあの二人とは休みをずらしての来訪だ。
こまめなあいつららしい、きちんと手入れされてピカピカな墓に水をかける。線香に火をつけくべてから手を合わせると、不思議と心が安らかな気分になった。
ふと、盆には死者がこの世に帰ってきてるんだったか。と、思い至る。
じゃあミツバ、愚痴にでも付き合ってくれや。
そう心の中で唱えるなり、勝手に愚痴り始めた。
ここ最近総悟が険悪だ。
俺への当たりが強くなり、それだけならまあ良いが、仕事もいつにもまして荒い突入を繰り返したりと、冗談じゃすまされなくなってきている。
それらと同時期に、Aへの執着が何時もより強くなった。俺は、俺とAの仲を感付かれたのではないかと思ってる。
隊士達も総悟にビクビクしやがるし、はっきりいってあいつを渦中に隊内で良くない気が流れっちまっててな。
・・・もし、この状態が続くのなら、Aも苦しかろう。あいつが望むのなら、俺は身を引いた方が良いの。か？
愚痴りがてら、いつになく弱気な考えに至ってしまった。
自分で思っといて、心が締め付けられるような感覚に囚われる。別れたくないなどみっともないことをほざくくらい、俺はあいつにゾッコンだったのか。
だがあいつを苦しめるのは・・・墓を前にして悶々としてると、元々いけてあったマリーゴールドが俺を諌めるようにしゃらんと揺れた。
同時に、ミツバの困った顔と怒った顔の狭間のような、なんとも言えない顔が見えた。ような気がする。
まるで、そんなこと言うのだったらもう帰ってとでも言うような・・・
その瞬間、こいつの言わんとしていることを悟り、俺は今までの考えを反省する。
「わぁったよ。このシスコンめ」
俺はAに誓った。一生あいつの背中を守ると。
この言葉ですら守らないようなクソ野郎になったら、何度輪廻転生を繰り返したってお前と合わせる顔がねえよな。
ミツバに説教されたような感覚から少しばつが悪くなりながらも、幾分か晴れやかになった心持ちのまま墓地を後にした。
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りんこ(プロフ) - まっつーさん» 確認してびっくりしています。全く意識してなかったです！でもSPY ✕FAMILYは好きです。知らず知らずのうちに寄せてしまったのかも？ (2023年2月5日 19時) (
レス) @page41 id: 75b865d325 (このIDを非表示/違反報告)
まっつー - 最後のあとがきのこんにちはあるいはこんばんはってあったんですけどSPY×FAMILY好きなんですか？ (2023年2月5日 15時) (レス) @page41 id: af3ec55cb1 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - てんどんさん» やっと画像入手することが出来ました！遅くなってすみません…イメージ画像として登場人物紹介欄に貼ってもよろしいでしょうか？ (2022年2月11日 13時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
こまよい雪狐(プロフ) - りんこさん» もちろんいくらでも待ちますよ！頑張ってください！応援してます！ (2022年1月3日 23時) (レス) id: bdceb5c82f (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - こまよい雪狐さん» ありがとうございます！次回作とは少し間が空いてしまうかもしれませんが、待っていただけると感謝感激雨霰でございます (2022年1月3日 18時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんこ | 作成日時：2021年8月3日 12時
