魔法使いの恋 2 (ページ39)

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俺の。わたしの。ページ39

しばらくして、涙も引いて落ち着きを取り戻した頃、俺に抱きついていたAが、微妙な顔をして見せた。

「あ……もしかして、香水？

りりかのついてる？」

どうやら正解らしい。

「シャワーしてこよか？」

そう言う俺に、Aは余計にぎゅっとしがみつく。

「平気……わたしの、だから」

そう呟くAが、愛しくて。

俺も、Aをぎゅっと抱きしめる。

「何か、えぇなあ。

…誰かのものになるって。

案外、窮屈でもないな………

A？

そしたら、一緒に風呂行こか？」

「…えっっ！！」

「風呂で今までのこと

全部きれいに洗い流してくれん？

そしたら俺、まっさらな状態で

Aのものになれるやん？

今日はバンバンやし…な？」

「えーー！？

一緒にお風呂は、

…無理、

かも……」

「ほな、良いん？

他所のオンナの匂いついたまま、する？」

「それは、いや…………

もう！

けんじろ君がまた意地悪言う……」

真っ赤になって涙目で俺を見るA。

意地悪だと言われようと、Aにこの顔をさせられるのは、俺だけだ。

困った顔も、泣き顔も、もちろん笑った顔だって、すべてが愛しい。

大切な、大切な、俺のA。