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「はぁーーっっ!?!?
おまっ!女の子が、
そんな言葉、使うたらアカンぞ!!
………ていうか、何それ?
そんな風に思てたん?」
「違うの?
………だって、
全然、
好きとか付き合おうとか、
言ってもらえないから、てっきりそういう……」
「アホか!
言わんでも、分かるやろ?」
「………分かんない!
ちゃんと言ってくれなきゃ、
分かんない……
けんじろ君、女の子にもてるだろうし、
わたしなんか相手にしてもらえるなんて、
思えないから…」
「自分のこと、
『なんか』って言うのやめ?
Aは、可愛いよ?
すごく可愛いし、
とびきり綺麗な人間やって思ってる。
俺の方こそ、Aには不釣り合いやって、
……正直、まだ躊躇してんねん」
初めて心の内をさらけ出す。
そんな俺を、Aは黙って見つめる。
「………けんじろ君?
ワガママ、言って良いですか?」
「…お、おう。何?」
「誕生日プレゼント、
欲しいものがあるの……」
「何?今からでも買いに行こか?」
Aが首を振る。
もげそうになるくらいブンブン振るのは、彼女の癖なんだろう。
「お店には売ってないの……
あのね?
けんじろ君にわたしのこと、
好きって言って欲しい…」
どくん。
心臓が大きく跳ねた。
嘘やろ?
そんなん、
言うたこと無いねん、俺。
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作者名:myu | 作成日時:2019年8月30日 23時