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恐る恐る振り返って見ると……
予想通り、Aは泣き顔で。
『やってもうた………
やっぱりアイツ、トラブルメーカーやん』
そう思いながら、Aに話しかける。
「A?ごめんな。
言い訳させてくれへん?
……あの子な、クラブ行ってた頃の
遊び仲間やねん。
ちょっと天真爛漫が過ぎるっていうか、
変わってるっちゅうか……
いっつもあんな感じやねんな?
だから、深い意味はないねん、アレ…」
「…みに、スカート……
髪の毛ふわふわ……
まつげ長くて、
すごい可愛いヒトだった………
けんじろ君の、タイプの女の人…」
泣きながらAが言う。
「いやいやいや……タイプちゃうし!
ちゃうちゃう!!全然ちゃうで?
ごめんなー、A。
泣かんといてな?
せっかくの誕生日なんやから、
機嫌直してプレゼント買い行こ?」
平謝りの俺に、Aが告げる。
「もう、帰りたい……」
出た……
滅びの呪文。
どれだけ謝っても機嫌が直りそうにないAに、俺も半分諦めモードでタクシーをつかまえた。
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作者名:myu | 作成日時:2019年8月30日 23時