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* ページ28
見上げると、けんじろ君は、わざと片眉だけ上げてみせながら、さりげなく指と指を絡ませた。
途端に顔が熱くなるわたし。
けんじろ君は、こういう仕草のひとつひとつに、実は慣れている気がする。
普段はしないけれど、照れもせず、男のヒトっぽい事をサラッとするので、その度にわたしは、熱くなったり、余計なことを考えてしまったりする。
『どんな女の人と付き合ってきたんだろう』
『その人とはどんな風に過ごしたんだろう』
考えても仕方のない事ばかり、頭の中をかすめていく。
『けんじろ君にとって、
わたしは一体、どんな存在なんだろう』
目の前のけんじろ君を見つめながら、一番考えてはいけない事を考えて、慌ててかき消す。
いけない。
今日だけは特別なんだから、要らないこと考えずに、目の前の幸せにどっぷり浸からなくちゃ。
そう思いながら、レストランの扉をくぐった。
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作者名:myu | 作成日時:2019年8月30日 23時