誕生日 ページ26
K-side
翌朝、Aから、にこにこマークのスタンプと共に、『元気になりました』のメッセージ。
安堵の気持ちと、無理してんちゃうか?の気持ちが混ざって複雑な俺をよそにAは、待ち合わせ場所に本当に元気になって登場した。
「………何やねん、お前の身体は…」
「何なんでしょうね〜?
もうすっかりです。
きっと、けんじろ君のマッサージが
上手かったから……ね?」
「…ほっか。
ほんなら、今日は気にせんと、
バンバンいけるな?」
「えっ!?………バンバン?…え?」
「さて飯食い行こかー?腹へったー」
戸惑うAを気にも留めず、俺は歩き出す。
「で、Aちゃん?
どこの店にしたん?
財布ならパンパンにしてきたから、
どこでも言いなさい」
俺はドヤ顔で、昼食の店を尋ねる。
「フレンチのお店なんだけど、
お姉ちゃんから聞いて…すごく美味しいって。
実は予約までしてくれてて……」
「ホンマにAの事、
大事に想ってるんやな、姉ちゃん……
俺には何でか怖いけどな?」
ふたりで笑いながら店に向かう。
たくさんの人で賑わう、明るい街並みを、ふたりで歩くのは初めてのことで、いつもみたいにポケットに手を入れながら歩いていると、すぐに後ろの方に離れてしまうAの手を取り、そっと繋いだ。
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作者名:myu | 作成日時:2019年8月30日 23時