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「痛かったやろ…?」
そっと優しく触れられただけなのに、あの恐怖を思い出して身体が硬くなる。
「大丈夫や。
俺は痛いことは絶対にせぇへん。
さっきは怒りすぎて怖い思いさせてもうた
けど、女の子には乱暴したりせぇへんから…」
そう言いながら、二の腕のアザに口づける。
「…ん……」
「痛い?」
「…ううん、平気……」
わたしが痛がってないことを知ると、けんじろ君はアザの周りを念入りに舐め始める。
彼のその仕草に、胸のドキドキを隠せないまま、見入ってしまう。
目が離せないでいるわたしを、チラリと見遣るけんじろ君は、
「俺の、痕、つけてえーか?」と聞く。
そっと頷いた、次の瞬間、『ちゅっ』という音と共に、チクっとした痛みが走る。
「…んっ……」
思わず口走るわたしに、けんじろ君は真っ直ぐな視線を向けて言う。
「ごめんな?痛かったな………
でも、これで、俺のAや。
見てみ?」
促されて見た、あの二の腕には、アザよりもハッキリと赤い、けんじろ君の印がついている。
いろんな気持ちが高ぶって、涙が溢れた……
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作者名:myu | 作成日時:2019年8月30日 23時