桜と約束 ページ3
突然の強い風に見舞われて
一瞬顔を背けた
桜の花びらが
風にさらわれていくのを目で追う
待って…
待って…
散りゆく花びらの向こうに見える
大貴くんの綺麗な横顔は
神様に魅入られて
そのまま連れ去られそうな程
美しくて
今にも消えてしまいそうに見えた
急に不安に襲われて
花びらと一緒に
遠くへ行かないように、と
思わず抱きついた
「…ん…?どうしたの、急に…」
少し驚いたようだったな...
「…今ね、大貴くん…
…消えちゃいそうだった…」
そしたらクスッと笑られて
「…何言ってんの…」
って頭をクシャクシャっとした
「…消えないで…!私の前から…!
ずっと…ずっと一緒に…居て…?
側に…居て…」
大貴くんを見上げて永遠を請う
「…泣くなよ…。
ずっと一緒だよ…。」
「…え…?」
そっと涙を拭って
「…愛してるから…」
そう言って、強く抱きしめてくれた
私はただただ
しがみつくことしか出来なかった
今ここにあるシアワセは
幻なの…?
今にも消えてしまいそうな幸せが
手のひらからこぼれ落ちていく
砂のように
サラサラと
春の風にのって
花びらと一緒に
永遠なんて
無いよ
って…
連れてかないでよ…!!
そんな切なる想いが伝わったのか
私を抱きしめたまま
なだめるように背中を撫でて
「…大丈夫だよ…ずっと…ずっと…
一緒にいるから…大切だから…
大切に想ってるから…ずっとね…」
まるでその時から
今の私達を知っていたかのよう
「…ねえ…また…
一緒に来れる…?かな……?
来年も、一緒に来ようっ?
…ね…?約束だよっ?」
まだ先のことと分かってた
けど、
来年の今も一緒だって
ずっと一緒だって
約束が欲しくて
少し強引に答えを聞こうとした
「…うん、…一緒に…」
と、桜の木を見上げて
優しくつぶやいた
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☆。ちゃま.:*・゜(プロフ) - RUI様 本当ですか!ありがとうございます!初めて書く短編だったので嬉しいです! (2016年7月20日 17時) (レス) id: 6a07f41283 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凄く文才がおありで羨ましです!!自分も小説書いてるので見習います。。 (2016年7月19日 10時) (レス) id: 81c9e6682d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆。ちゃま.:*・゜ | 作成日時:2016年7月19日 10時