【wrwrd】想像少女5【軍パロ】完結編 (ページ38)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:6,008 hit

番外編その後ページ38

サラサラと優しい風が頬を撫でていく。ガヤガヤと変わらない賑わいを見せている城下町、城の中では狂犬2人が内ゲバをして粛清されている。その中私は屋上で1人空を見上げていた。

『…父様、母様、私はこんなに素敵な仲間と居場所を貰いました。』

空に向かって微笑めばまるでそれに応えるかのようにまたふわりと風が私の横を通り過ぎていく。春に吹く優しく暖かい風は私をまるで褒めるかのように包み込んでいる。

『…ふふ、もう大丈夫だよ。寂しくなんてないから』

だって私にはみんながいる。

私たちを支えて見守ってくれる国民
私の周りで内ゲバをしながらも守ってくれる仲間
いつでも私を助けてくれる頼れる悪魔
天界から見守っている仲間の神様

全部この数年間という短い間で私がもらった

綺麗で、美しい

大切な宝物。

『私は本当に恵まれてるよ。』

昔は父様と母様がいなくなって私は不幸だ、幸せになんてなれない、ってずっと思ってた。そして心の奥底では皆も同じ目に合えば、なんてことを考えていた。でも、今は真逆。

こんなに素晴らしい居場所で素敵な仲間に恵まれて幸せすぎだな、なんて思うくらい。みんなにこの幸せを分けたい、なんて考えている。それくらい、この場所は、仲間は、宝物は私を変えてしまった。いや、変えてくれた。

『まだこれからも幸せなことが続くんだろうなぁ』

ふわりとまた風が私の頬を撫でて後ろへと通り抜けていく。ぐっ、と少し固まってしまった体を伸ばして戻ろうか、と思った時、インカムに連絡が入った。

「A～！今からみんなで遊ぶから中庭来てや～」

『遊ぶって…ふふ、分かった。今行くわ。』

インカムを切ってもう1度軽く体を伸ばしてから私は屋上を出て中庭へと向かった。

創造神である私でも想像できないくらい

未来は分からない

でも貴方達がいるから大丈夫

さ、未来を想像しようか(作っていこうか)。