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END ht ページ21

ガラガラと扉を開けて入って来たのは真っ白な軍服にいつものバツ印の書かれたマスクをしたひとらん。来てくれたの?と言って1度本に伸ばした手を引っ込めた。心配だからさ、と言ってイスに座るひとらんにはいつもの元気が無いようだった。

『?ひとらん?』

ht「ん?どうしたの?」

『あ、いや、何か元気が無いなぁと思ったからさ。』

言ってはダメだっただろうか、と思いベッドに視線を向けるとひとらんはそうかなぁ、と言って私の頭を軽く撫でた。大丈夫だよ、と言って私の頭をぽんぽん、と一定のリズムで叩いてる。

『…何か、子供扱いされてる?』

ht「…ふふ、気の所為じゃない?」

『あ、笑ってる!やっぱり子供扱いしてるじゃん!』

わーわーと何か反論をしてもはいはい、と頭を撫でられて軽くスルーをされる。うぐぐ、と私が静かになったかと思えば今度はひとらんのターン。俺は心配したんだよ?と説教じみた話が始まる。

ht「大体そのとき───────」

『…』

ht「聞いてる????」

『は、はい!聞いてきます!』

私が急に高い声で反応したのが面白かったのかひとらんはふふ、とまた笑ってそう、偉い偉いと頭をまた撫でる。もう撫でてもらうのが落ち着くようになって素直に黙ってしまう。

ht「…説教はこれまでにしてあげる。」

『!本当?』

ht「うん。ちゃんと気を付けてね?」

『うん!』

こんな話をしていると自分でも何か子供みたいだなぁと思い始めてしまう。あ、とふと思い出した事があり本が置いてある台の引き出しから私はとあるものを出してはい、とひとらんに差し出した。

ht「?これ…?」

『それね、刀のコーティング剤?みたいなの。それを刃に塗ると欠けにくくなるんだよ〜』

ht「あ、前に兄さんが言ってたやつ…!すごい、いいの?」

『うん、私も持ってるからさ、あげる。心配してくれた…お礼?』

私が最後を首をかしげながら言ったからかひとらんはまた笑ってありがと、と言って大事そうにポケットにしまっていた。まだにこにことしているひとらんにそんなに嬉しかった?と聞くと当たり前だよ、と言われた。

ht「だって…Aがくれたしね。」

『?私がくれたからって…どゆこと?』

意味がよく分からず首を傾げるとそれを見たひとらんはそのままの意味だよ、と少し恥ずかしそうに笑いながら言った。意味を考えているとまさかと思い私の顔はだんだんと赤くなってきた。

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作者名:ノエル・ウィール | 作成日時:2019年6月19日 20時

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