第９８話 ページ3
高杉「奴ァ幕府とのコネがあんのか」
中沢「銀時のとこにいる娘が姫と親しかったはずだ」
高杉「なら…」
中沢「入る確率の方が高い、かもなぁ」
あそこの世話係はなんだかんだ言って姫に甘い。通してしまうんだろう。
高杉「作戦は状況が変わり次第変更する。現状は佐々木が定定に接触することを待つ」
中沢「了解したよ、総督殿」
高杉「………」
そう答えるAだが、高杉は用ありげに尚も煙管を吹かす彼女を見つめていた。
中沢「？」
何も言わず間を詰める高杉に、Aは堪らず後ずさりする。
中沢「なんだよ…」
しかし高杉は彼女の手にある煙管をとり、顔を顰めた。
高杉「俺の煙管だ」
中沢「いいじゃんか一服ぐらい。へそ見えてるぞ」
高杉「見てんじゃねぇ」
中沢「ひょんないおこんにゃよ」
Aの下顎をつかみ持ち上げる。手荒な彼の行動に、Aは彼を遠ざけようと胸を押した。
高杉「てめぇは相変わらずクソみたいな妹だなぁ…？」
中沢「いもうろじゃにゃ…いたいいたい！」
また子「晋助様！侵入の準備が…」
しょうもない小競り合いを繰り広げていると、突如として部屋の襖が開け放たれた。
嬉々として飛び込んできたまた子は2人の状況を見て固まる。
また子「し、晋助様…」
暗い部屋で男女2人、男は女の顎を持ち上げているのである。
その手が何を意味するのかなんて、また子に分かるはずはない。
中沢Aとかいう女を仲間に入れたと思えばなんなんだこの状況は。
高杉「指示があるまで待機だ」
また子「貴様ぁ！！晋助様を誑かしやがったな！！」
中沢「え」
その場に高杉がいるのにも関わらず、また子はAに向けて発砲し、Aは慌てて頭を引っ込める。
対して高杉は何事もなかったかのように部屋を出ていってしまった。
中沢「おい！！どうにかしてけよ晋助！！」
また子「死ねェ！！」
中沢「また子ちゃんんんんん！！！」
総督殿と、俺の煙管を、と高杉が内心小さいことで腹を立てていたことも知らず、Aは理不尽に降り注ぐ鉄の雨から逃げ惑っていた。
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RIO - 小説読ませてもらっています！更新待ってます！！ (2022年4月15日 0時) (
レス) @page11 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
無関 - まじで面白かったです！頑張って下さい！！ (2021年11月18日 21時) (レス) @page8 id: dbba37e842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗月 | 作成日時：2021年11月11日 17時
