ヒョンと僕２ JM ページ13
JM
シオニヒョンの車で職場についた。
前を歩くヒョンを追いかける。
「シオン様、おはようございます。」
あるビルの自動ドアをくぐれば、男性秘書がヒョンによってくる。
次々と書類を渡され、それに目を通しながら歩くヒョン。
ヒョンの後ろには2人の男性秘書がついて歩いていた。
「これとこれは破棄。これは再調査、これは継続…。」
歩きながら書類を分別し、秘書に渡すヒョン。
手に書類がなくなったところで、ヒョンの仕事部屋に到着したようだ。
「ジミナ」
そう僕を呼んで、ヒョンは一つの部屋に入る。
「君の机はそこ。仕事はミンジュン、彼に教えてもらって。」
ヒョンの秘書の男性にそう言うと、
「ジミン様、イ・ミンジュンです。宜しくお願いします。」
と、ミンジュンさんが僕に挨拶してくれた。
「え、あ、パク・ジミンです。宜しくお願いします。」
そう挨拶している間に、ヒョンは、もう一つの机の方へ行き、もう一人の秘書からタブレットを受け取っていた。
「シオン様、こちらの案件が…。」
仕事が早いとか、そういうレベルじゃなかった。
書類を読む速さも、指示も全てが流れるように進んでいく。
シオニヒョンは、デキル男だ。
仕事量は半端なかった。
昼休憩までは、あっという間に時間が過ぎてしまった。
「ジミナ、昼休憩だよ。」
そう言われて、書類から顔を上げると、コーヒーを僕の机に乗せたヒョン。
秘書の二人はいつの間にかいなくなっていた。
「最初から飛ばさなくて良い。ゆっくりやりな。」
ニコニコ笑いながら言うヒョンに、苦笑いした。
「でも、僕は」
早くみんなに追いつきたい。
「ねぇ、ジミナ。Aもそうだけど、上に立つ人間はね。必ずしも優秀である必要はないんだよ。」
「え、」
「下が優秀であれば、上は無能でも良いんだ。ただ、下を引きつける魅力さえあればね。」
「引きつける魅力…」
「そう、君の下に僕が付きたくなる魅力、君は持っているかな？まぁ、とはいえ、Aを惚れさせたんだから、君はそのままでいいと思うけどね。」
「…」
「まぁ、頑張って。僕を魅了してごらん。」
ふっと笑ったヒョンに、
僕の方が魅了されそうだ。
…
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作者名：ちな
| 作成日時：2021年9月18日 13時
