FULL MOON 4

後始末 ページ37

☆
FULL MOONマネside


「…鮮やかでした。」

TXTのマネージャーが一つ息をついて呟く。

「大人しく、話を聞くなんて…」

BTSのマネージャーが驚愕の表情で呟く。

「彼女をどこに紹介したんです？」

ENHYPENのマネージャーが首を傾げて聞いてきた。

「あぁ、女性が社長の小さい事務所だよ。語学ができる子を探していたから。」

そう言う俺に、

「戻ってこないですよね？」

TXTのマネージャーが心配そうに言う。

「戻れないよ。」

そう言って、彼女がサインした書類を見せる。

"二度とパンプロデューサーやBIG HITと関わりません"

その一文が盛り込まれた退職書類。
それを見た三人はため息をつく。

「経験値を積んで、立派なマネージャーになったとしても、うちには戻ってこれないし、次の事務所はそう簡単に辞めさせてくれないよ。」

ふっと笑って言えば、三人は俺を見て、

「流石…」

「これがFULL MOONクオリティ」

「敵に回したくないな。」

と口々に呟いた。

「あ、そうだ。BTSは宿舎の場所がバレてるんだって？移動するのか？」

俺はそう言って、ソジュンに渡された資料をBTSのマネージャーに渡す。

「え、これは？」

「新しい宿舎候補。ソジュンが持ってきたやつだから、セキュリティは大丈夫だと思うよ。」

戸惑う彼にそう言いつつ、

「決まったら連絡してくれ。ソジュンに話を通しとく。」

「え、なんでソジュン？」

「記載されてるソレ、全部、アイツがオーナーだからな。」

「ソジュンって何者なんですか？」

TXTのマネージャーが聞いてくる。

「あ？ただのボンボンだよ。」

俺はそう言って、書類とスマホを持ち、会議室を出ていく。

とりあえず、うちの子達に、全部、終わったことを連絡しないとね。



…

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