レンズ越しに咲き乱れろ。【アイナナ】

３３：白熱争奪戦 ページ37

.





「あ、カメラ見に行きたい。」

「…カメラ？じゃあ、お兄さんと行こうぜ。」





口から出た言葉に過敏に反応した７人のアイドル達。真っ先に口を開いた眼鏡のキラキラ人からは一緒にカメラを見に行こうというお誘いが。死んでも嫌です。地獄に落ちても行きたくない。






「あぁ！ヤマさんずりぃ！なぁ、俺と行こ！な！」

「環くん、彼女が困っているじゃないか。
あ、そうだ。近所の激辛カレー屋さんに一緒に行かない？」

「壮五も抜かりないな…」





激辛カレー屋さんには少し心が傾いたがあの神聖なカメラのショップに異性を連れていくなんて破廉恥だ。カメラの神様に異性と戯れた罪で処罰をされてしまう。





「俺も雑貨屋に行きたいんだよなぁ、荷物持ちなら付き合うぜ。」

「兄さんも狙う気満々だ…私も行きたいのに。」

「俺も、如月さんと行きたいなぁ、なんて…」

「Hey!girl。私も貴女と行きたいです。」




冷淡キラキラ人と赤髪キラキラ人も大人しめに発言をする。碧眼金髪のキラキラ人は大胆に。私についてきたらwin-winの関係どころかdraw-drawの関係？みたいなものになってしまう。メリットは双方に1mmもないのだ。




「私、１人で行きたいんですけど…」

「よし、ジャンケンだ！」






「「「最初はグー!!!!!!!!」」」

「「「「じゃんけん…… ポン！」」」」







７人もいればあいこの確率が多いなぁ。なんて。そんな悠長な考えしか出てこないのはお菓子の争奪戦をしているかのような低レベルなことをしているこの人達のせいだ。








「(面倒くさくなった。違う場所に全員で行こう。)」







結局、折れるのは私だ。









.

３４：胸の苦しさ→←３２：天国の母へ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す