猫 じ ゃ ら し .【坂田銀時】

猫じゃらし24. ページ24

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過ぎ去る時間に、そろそろ帰るか。
なんて立ち上がろうとすると

何処からか息の上がった呼吸が聞こえる。






「………っ、」

「………っあの、……すみませんっ」








そちらに目を向けると、
膝に手を置いて、こちらを見る

Aだった。



まさか本当に会えるなんて思って無くて
彼女がこちらを見てる事に胸がどくんっと跳ね上がった。









「白い…もふもふの猫…知りませんか…？」


「………！」

「何日も帰ってなくて、もしかしたら
何処かで野垂れ死になってるのかもしれないんです。」









"探してあげないと"

彼女は大きな瞳を揺らして、
そう言った。
芯のある声は心の奥を揺さぶる様で声が出てこない。



彼女は何も言わない俺を見て
視線をしたに下げると

作り笑顔を貼り付けた。









「急に、ごめんなさい。

知らないなら、別にいいんです」








そのまま去ろうとする、
彼女の背中を見ていると

手が勝手に彼女の腕を引き寄せていた。









「………へ、」









すとん、と胸の中に収まる彼女は
前と同じいい匂いがした。








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