3 NJ side ページ11
土台破壊事件からしばらくして
僕は彼女のいる図書館に入り浸るようになった
「ナムジュンさん、今日もいらしたんですね」
NJ「あ、Aさん！」
僕に声をかけるなりメガネの縁をクイッと
上げる本の女神ことAさんを横目で見ながら
また小説に視線を戻す
NJ「この小説、とっても面白いんですよ？」
そう言って
今イチオシの小説の表紙を彼女に見せた
すると
「…ぁっ、そ、それ」
表紙を見るなり顔を真っ赤にする
Aさんを不思議に思い
思わず腕を引っ張り顔を覗いた
「っ〜！！…ち、近いですっ！！！！」
NJ「うわっ、」
照れる彼女に押された反動で僕は椅子から転げ落ちた
NJ「いてて…」
ーごほんっ！
「はっ、すみません。」
NJ「ご、ごめんなさい。」
どうやら2人とも図書館という場所を忘れて
大きな音を立ててしまったようだった
「ご、ごめんなさい。押してしまって…
一旦外に行きましょうか？」
NJ「僕の方こそごめんなさい、外に行きましょう」
そして2人で図書館の中庭に出て
近くの自動販売機で買った
コーヒーを片手に彼女に渡した
「あ、そんな気遣い大丈夫だったのに…」
NJ「いえ、迷惑をかけてしまったので」
僕の１つ１つの行為に
気を使ってくれる彼女は本当に優しい人なのだろう
「あ、あの…ナムジュンさん」
NJ「はい…なんでしょうか？」
彼女の優しさを噛み締めながら笑顔で返事をすると
彼女はさっきとはまた違った赤い顔をした
「あ、あの…その…実は……」
そこで僕はハッとした
NJ「もしかしてこれのことですか？」
僕がさっき読んでいた小説を彼女の前に掲げると
「あ、はい…」
NJ「やっぱり…
この暖かい文面…
そしてどこか落ち着くこの感じは…
この小説の作者は貴方だった…そうですよね？」
そこまで言うと
なんだか言い方がミステリー小説みたいですね
なんて女神が笑った
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作者名：。イル。2 | 作成日時：2019年6月17日 1時
