眠気 ページ28
中村side
夜、一通りの仕事を終えて帰宅する。ちょうどその日は、Aのほうが早く収録が終わるため、先に寝ててもらうことにした。
玄関の鍵をそっと開け、ドアノブを捻る。
中はリビングの明かりで薄く灯されていた。
それは、暗所恐怖症の俺に対する、Aのちょっとした気遣い。俺はそれが好きで、この明かりがあるだけでひどく安心する。
『………んっ…』
リビングにはソファーに座ってゆらゆらと船を漕いでいるAがいた。
おおかた、俺の帰りを待っててそのまま落ちたのだろう。テレビは録画が最後のシーンで止まっていた。しかもついこの間最終話を迎えたばかりのやつ。
『…さむ…………』
もぞもぞとソファーの上に体育座りをしなおしたAの髪は、まだ少しだけ濡れていた。まったく、ついこの間風邪を引いたってのに、またぶり返すつもりなのだうか。
中村「おい、A起きろ」
『ん〜……も…朝………？』
中村「まだ夜中だバカ。風邪ひくぞ」
『そしたら…ゆーいちくんに、かんびょー…してもらう……』
まだ完全に目が覚めていないのか、呂律はあまり回っていなかった。
中村「ほら、ベッド行くぞ」
『ゆーいちくん、おんぶー、ダルい』
ん、と両手を俺に差し出す。
それを無視してAの膝裏と背中に腕を回し、さっと持ち上げる。所謂、横抱きというやつ。
少食気味のAは、これでもかというほどに軽かった。
『うおおっ……悠一くん、かっくい〜♪』
きゃー、とけたけた笑いながら俺の首に腕を回すA。完全に目は覚めているに違いない。
『……重くない？』
中村「楽勝だな」
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かなと(プロフ) - 貴君が書いていたとは！！面白かったよ！ (2016年12月29日 0時) (
レス) id: 0239583f3f (このIDを非表示/違反報告)
絢伽 - 続編見たいなぁなんて…でもとりあえず完結おめでとうございます！ (2016年12月12日 22時) (レス) id: c497485124 (このIDを非表示/違反報告)
沙耶 - 完結おめでとうございます！続編が見てみたいです！ (2016年12月11日 23時) (レス) id: 859f6178c6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井藍 - 完結おめでとうございます！続編見たいです！ (2016年12月11日 8時) (レス) id: 3ed381711a (このIDを非表示/違反報告)
絢乃 - ぜひ、続編のほうお願いします（＾＿＾） (2016年12月10日 18時) (レス) id: c9f54a42b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悲しみを好むリンドウの花 | 作成日時：2016年9月17日 22時
