キミはボクの宝物 vol.1【kazunari.N】 (ページ9)

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4人目　要注意人物ページ9

松本さんの打ち合わせが終了し、その日から1週間は誰の打ち合わせも入っていなかった。

だが通常業務と合わせて今回のプロジェクトミーティングをしたり、広報活動で外回りに行ったりと時間を持て余したりする暇はなく、結局はバタバタと過ごす毎日。

次の打ち合わせまであと1週間もあると思っていたが、あっと言う間に過ぎ去ってしまった。

相葉さんとの打ち合わせは、櫻井さんや大野さんと同様にこちらまで来ていただくことになっている。

時間もお昼過ぎだったので、当日は朝早く出勤することもなければ、退社が遅くなることもなさそう。

ランチを済ませて細々とした作業を終わらせているうちに、受付から社内ケータイが鳴った。

『広報担当の仁科です。よろしくお願いします』

雅「よろしくお願いします………」

相葉さんと一緒に来ていただいたのは、櫻井さんの時も同行してくださったマネージャーの正木さん。

正木さんが事前に少し説明してくださっていたようで、こちら側からは簡単な確認事項だけで済みそうだった。

手元の資料で重要なところだけを抜粋して説明していく。

その間相葉さんは資料に目を通しているように見えるが、痛いくらいの視線を向けられていることに気づいたのは、説明も終盤に差し掛かる頃。

それでもこちらからは何も言えずに、ただただ話を進めていくことしか出来なかった。

『何か、ご不明な点はございますか？』

雅「ダイジョーブ………です………」

説明している最中は、嫌ってほどガン見してきてたくせに。

確認の為に相葉さんに視線を向けると、必ずといっていいほど目を逸らされる。

人見知りなのかな………。

それとも……、アノ時のこと、憶えてる……？

なんて考えていたら、正木さんが代弁して謝ってきた。

正「すいません……。コイツ、極度の人見知りで………」

『いえ……、大丈夫です……(笑) 私も昔はそうだったんで、お気持ちはよくわかります』

“アイドルなんだから、少しくらいにっこりしろ！！”と言われている相葉さんは何だか気の毒だが、やっぱり相葉さんから向けられる視線が気になって、早めにこの打ち合わせを切り上げたかった。

打ち合わせを終わらせる挨拶をして、正木さんが会議室から退室しようとした時。

雅「あのっ………！どこかで、お会いしたことありませんか……？」

あたしが感じていた嫌な予感……。

やっぱり、的中してたのかもしれない。