キミはボクの宝物 vol.1【kazunari.N】 (ページ8)

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3人目　熱心な男ページ8

大野さんとの打ち合わせが終了したのが、丁度お昼前。

たまたま時間が一緒になった二葉さんとランチに出た。

二「どーだった？ナマ嵐は(笑)」

『どーもこーもナイですけど……(笑) まぁアイドルですからイケメンでした(笑)』

二「イイなぁー！！あたしも見たかった(笑)」

そう言って、戯けてみせる。

本心は多分、あんまり興味なさそう……(笑)

二葉さんとは年齢が近いせいかあまり仕事の話はせずに、プライベートの話をする方が多い。

どうやら二葉さんは透と同期入社らしく、透からあたしのことを聞いていたようだった。

午後からは新商品の販促物のチェックや、夜から行われる松本さんとの打ち合わせの準備をしていた。

定時になると、一人二人と退社していくフロア。

隣のデスクの二葉さんも残業はしていたものの、19時頃には退社した。

松本さんとの約束の時間は21時。

向こうの仕事の都合で、松本さんの事務所で打ち合わせをすることになっていた。

20時を回った頃に会社を出て、マネージャーさんからメールで頂いた地図を頼りに目的地に向かう。

守衛さんに声を掛けると、話を通しておいてくれたのか、直ぐに案内された。

潤「初めまして。松本です」

『仁科です。この度はお引き受けいただき、ありがとうございます』

挨拶と名刺交換を簡単に済ませ、本題に入る。

『今回の商品は5色展開で香りもイメージのバラバラなので、CMも6パターンで考えています』

潤「個人のは、内容も全て違うんですか？」

『はい。みなさん其々のイメージも考慮して、絵コンテは考案してもらってます』

潤「それは検討段階で確認させていただけるんですか？」

『勿論です。こういった形で直接の打ち合わせは難しいかもしれませんが、必ずチェックはしていただけるようにしますので』

松本さんは3人目だったが、一番仕事熱心な印象。

松本さんの熱意も十分伝わってきて、これからの撮影が楽しみになってきた。

潤「こんな遅い時間に合わせていただいて、本当にありがとうございました」

『とんでもないです。こちらこそ、お忙しいところありがとうございました」

最後にもう一度挨拶をして、部屋を出ようとした瞬間。

潤「仁科サンっ……。仁科さんて……、歳いくつ？」

『松本さんと、一緒です……(笑)」

潤「そっか……。じゃあよろしくね……？ Aちゃん」

もしかしたらこの人も、危険人物なのかもしれない。